3. 示された賃金が、そのまま入るわけではない

働き始めるときに示される賃金は額面です。退職後に受け取る年金も同じで、額面がそのまま振り込まれるわけではありません。

3.1 年金から引かれる4つ

LIMOの記事「厚生年金、38年間【平均年収400万円で働いた人】年金はいくらもらえる?厚生年金と国民年金を合わせた《受給額の目安》を試算」から、年金から天引きされるものを引用します。

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険料(国民健康保険料または後期高齢者医療保険料)
  • 介護保険料

出所:LIMO「厚生年金、38年間【平均年収400万円で働いた人】年金はいくらもらえる?厚生年金と国民年金を合わせた《受給額の目安》を試算」

3.2 明示されるのは額面のほう

労働条件として書面に書かれるのは、賃金の決定・計算・支払の方法です。そこから何が引かれるかは、明示の対象になっていません。

年金も同じで、記録に応じて決まった額から税と保険料が引かれます。契約書や通知に並ぶ数字と、口座に入る数字は別のものだということです。

4. 書面を受け取ったら見るところ

まず、就業の場所と業務に変更の範囲が書かれているかを確かめます。省令で求められている事項です。

次に、有期契約なら更新の基準と上限の有無をみます。ここも書面の対象になります。

そして、書かれた条件と実際が違っていないかを確かめます。違えば即時に解除できます。

5. まとめにかえて

労働基準法第15条は、労働契約の締結に際して賃金、労働時間その他の労働条件を明示することを使用者に義務づけています。施行規則第5条は、契約期間、更新の基準、就業の場所と業務(変更の範囲を含む)、始業終業の時刻や休日、賃金の決定・計算・支払の方法、退職に関する事項などを挙げています。

方法は書面の交付が原則で、労働者が希望した場合はファクシミリや電子メール等でも可能です。電子メール等は、労働者が記録を出力して書面を作成できるものに限られます。明示された条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができます。

ただし、明示されるのは額面の条件です。そこから何が引かれるかは書面の対象ではありません。年金からも所得税・住民税・健康保険料・介護保険料が引かれます。示された数字と口座に入る数字が違うのは、働いているときも年金を受け取るときも同じです。

参考資料

LIMO編集部家計解説班