5. 申込みの前に押さえておきたい注意点が3つある

奨学金は申込みの時期が決まっており、進学が決まってから動くと選択肢が狭まります。押さえておきたい点を整理します。

5.1 予約採用の申込みは高校3年生の春から始まる

進学前に申し込む予約採用は、高校3年生の4月下旬ごろから始まります。

在学採用(進学後の申込み)もありますが、予約採用で決まっていれば入学時点で見通しが立ちます。進路が固まる前の段階から、高校の奨学金担当の先生に相談しておくとよいでしょう。

5.2 給付奨学金には学修状況の確認がある

給付奨学金は、採用されたあとも学修意欲と成果が毎年確認されます。

修得単位数が著しく少ない場合や、出席率が低い場合には、支援が打ち切られることがあります。授業料等減免もあわせて止まるため、影響は小さくありません。

5.3 対象になる学校が決まっている

高等教育の修学支援新制度の対象になるのは、一定の要件を満たすことが確認された大学、短期大学、高等専門学校(4・5年生)、専門学校です。

志望校が対象機関に含まれているかどうかは、文部科学省が公表している一覧で確認できます。進学先を選ぶ段階で見ておきたい点です。

6. 借りる額は、卒業後の返還額から逆算したい

家計の相談では、必要な額をよく確かめずに上限まで借りてしまい、就職後に返還が重くなっているケースを見かけます。

日本学生支援機構は、貸与月額と返還年数から毎月の返還額を試算できる仕組みを用意しています。申し込む前に、卒業後の手取り見込みに対して返還額がどのくらいの割合になるかを計算しておくことをおすすめします。

返還が難しくなったときには、減額返還や返還期限猶予といった制度があります。ただし、返還の総額が減るわけではありません。借りる段階で額を抑えておくことが、いちばん確実な備えになります。

7. まとめにかえて

日本学生支援機構の奨学金には、返還のいらない給付奨学金と、返還が必要な貸与奨学金(第一種・無利子、第二種・有利子)があります。

給付奨学金の月額(満額)は、国公立大学が自宅2万9200円・自宅外6万6700円、私立大学が自宅3万8300円・自宅外7万5800円です。あわせて授業料等減免が行われます。2025年度からは、子どもを3人以上扶養している世帯について、所得制限なく授業料・入学金の減免が行われるようになりました。

制度に頼りきりにするのではなく、卒業後に返せる額かどうかを先に確かめておくことが欠かせません。そのうえで、給付型から順に検討すると、卒業後の負担を抑えられます。

参考資料

和田 直子