5. 受け取れる遺族の範囲は、年金と一時金で違う

遺族厚生年金と年金払い退職給付の一時金は、受け取れる人の範囲がそろっていません。ここが見落とされやすいところです。

5.1 一時金は兄弟姉妹や3親等内の親族まで含まれる

遺族厚生年金を受け取れるのは、配偶者・子・父母・孫・祖父母の5つの立場に限られます。

これに対して有期退職年金の一時金は、亡くなった方と生計を共にしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、またはこれら以外の3親等内の親族が対象です。

つまり、遺族厚生年金は受け取れないけれど一時金は受け取れる、という方がいます。

5.2 これら以外の相続人には支払われない

範囲が広いといっても、誰にでも渡るわけではありません。国家公務員共済組合連合会は、上に挙げた範囲以外の相続人には支給されないと説明しています。

5.3 請求の窓口は共済組合になる

年金払い退職給付は共済組合の制度なので、手続きの相手は年金事務所ではなく共済組合です。遺族厚生年金の請求とは別に進めることになります。

6. 手続きの前に確かめておきたいこと

公務員だった方の年金は、記録が複数の機関に分かれていることがあります。順番に確かめてみましょう。

6.1 どの期間がどの実施機関に属するかを書き出す

平成27年10月の一元化以降、厚生年金の実施機関は厚生労働大臣(日本年金機構)、国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済に分かれています。

民間企業と公務員の両方を経験した方は、期間ごとに担当する機関が変わります。いつからいつまでどこに勤めていたかを先に書き出しておくと、窓口での確認が早く進みます。

6.2 有期年金を受け取っていたかどうかを確認する

一時金の額は、有期退職年金のうちまだ受け取っていない期間分で決まります。亡くなった方が退職年金を受け取り始めていたか、まだだったかで金額が変わります。

通知書が残っていれば、受給を開始した時期と受給期間の選択が分かります。

6.3 6か月の期限がある手続きを取り違えない

給付事由が生じてから6か月以内という期限は、有期退職年金を受け取る本人が受給期間や一時金を選ぶときのものです。

遺族が受け取る一時金の手続きとは別のものなので、共済組合に確かめておくと安心です。

7. 公務員だった配偶者の年金は、厚生年金と共済組合の両方を確かめる

被用者年金の一元化によって、公務員だった方の遺族が受け取る年金は遺族厚生年金になりました。額は亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。

ただし、共済組合から支払われるものはそれだけではありません。年金払い退職給付のうち有期退職年金の残りは、年金ではなく一時金として遺族に支払われます。

受け取れる遺族の範囲も年金より広く、兄弟姉妹や3親等内の親族まで含まれます。遺族厚生年金の請求とあわせて、共済組合にも問い合わせてみましょう。

参考資料