3. 借りる以外の制度とどう違うのか
生活福祉資金は貸付、つまり返す前提の制度です。返さなくてよい制度と並べると、確かめるべき点が見えてきます。
3.1 資産を見るかどうかで分かれる
LIMOの記事「「老後資金がない」は「使える制度がない」ではない。貯蓄ゼロ世帯が知っておきたい制度の違い」から引用します。
生活保護の場合
- 資産調査:あり(預貯金・不動産等を調査)
- 年金受給が前提か:前提ではない
- 相談・申請窓口:福祉事務所
年金生活者支援給付金の場合
- 資産調査:なし
- 年金受給が前提か:前提(年金受給者が対象)
- 相談・申請窓口:年金事務所・市区町村
出所:LIMO「「老後資金がない」は「使える制度がない」ではない。貯蓄ゼロ世帯が知っておきたい制度の違い」
3つの制度で窓口がすべて違います。生活福祉資金は社会福祉協議会、生活保護は福祉事務所、年金生活者支援給付金は年金事務所と市区町村です。
3.2 生活保護は世帯全員の資産と能力を見る
生活保護は世帯単位で行われ、世帯員全員がその利用し得る資産、能力その他あらゆるものを最低限度の生活の維持のために活用することが前提とされています。預貯金や、生活に利用されていない土地・家屋があれば売却等して生活費に充てる、という組み立てです。
そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比べて、収入が最低生活費に満たない場合に保護が適用されます。貯蓄が乏しいことは、この制度では利用を妨げる要素になりません。
3.3 給付金は資産を見ないが世帯の課税状況を見る
老齢年金生活者支援給付金には資産調査そのものがありません。ただし、無条件というわけでもありません。
日本年金機構によると、支給要件は3つです。65歳以上で老齢基礎年金を受けていること、請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税となっていること、前年の年金収入金額とその他の所得の合計が一定額以下であることです。
所得の金額は本人の分で見ますが、課税か非課税かは世帯全員で見ます。本人の年金額だけを見て判断すると、ここでずれます。
4. どこから相談するか
まず、年金を受給しているかどうかで分かれます。受給していて世帯全員が市町村民税非課税なら、年金生活者支援給付金の対象かを年金事務所か市区町村で確認できます。
次に、一時的な資金が要るだけなら生活福祉資金の相談先は社会福祉協議会です。返す前提であることを織り込んで検討することになります。
そして、収入も資産も最低生活費に届かないなら福祉事務所です。どれも申請しなければ始まりません。
5. まとめにかえて
生活福祉資金貸付制度は都道府県社会福祉協議会が実施し、低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯を対象にしています。資金は総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4種類です。
連帯保証人と利子の扱いは資金ごとに違います。総合支援資金と福祉費は原則必要で立てなくても借りられ、立てれば無利子、立てなければ年1.5%です。緊急小口資金と教育支援資金は保証人不要で無利子、不動産担保型生活資金は推定相続人からの保証人が必要で年3%又は長期プライムレートのいずれか低い利率です。
そして貸付以外にも制度があります。生活保護は世帯全員の資産や能力を見ますが、老齢年金生活者支援給付金に資産調査はなく、代わりに世帯全員が市町村民税非課税であることが要件です。3つとも窓口が違うので、自分の状況に近いところから相談することになります。
参考資料
- 厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」
- 厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」
- 厚生労働省「「生活福祉資金の貸付けについて」の一部改正について(生活福祉資金貸付制度要綱)」
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- LIMO「「老後資金がない」は「使える制度がない」ではない。貯蓄ゼロ世帯が知っておきたい制度の違い」
LIMO編集部貯蓄解説班