3. 公的な施設には金額の目安がある

では、介護保険施設の側はどう決まっているのでしょうか。こちらには国が示す金額があります。

3.1 令和8年8月からの基準費用額

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設では、居住費と食費について国が基準費用額を定めています。有料老人ホームのように事業者が独自に決めるものではありません。

具体的な金額は、LIMOの記事「老人ホームの費用相場はいくら?特養と有料老人ホームでは値段の決まり方が根本的に違うことを、令和8年8月の食費改定も踏まえ公的資料にもとづき編集部が整理」から引用します。

  • 食費:1545円
  • 居住費(多床室):915円
  • 居住費(従来型個室):1231円
  • 居住費(ユニット型個室的多床室):1728円
  • 居住費(ユニット型個室):2066円

出所:LIMO「老人ホームの費用相場はいくら?特養と有料老人ホームでは値段の決まり方が根本的に違うことを、令和8年8月の食費改定も踏まえ公的資料にもとづき編集部が整理」

いずれも1日あたりの金額です。この5つは厚生労働省が令和8年5月29日に発出した介護保険最新情報の表に載っている額で、食費の基準費用額は令和8年8月から1日1445円が1545円に引き上げられました。

3.2 居室のタイプで数万円変わる

30日分に換算すると、食費だけで月4万6350円。居住費は多床室なら月2万7450円、ユニット型個室なら月6万1980円です。同じ施設でも、居室のタイプで月額の総額は数万円単位で変わります。

1日あたりの差は数百円でも、ひと月分に直すと3万円を超える開きになります2/2

介護保険施設の食費と居住費の基準費用額について、令和8年8月からの1日あたりの金額と30日換算の金額を居室タイプ別に並べた図

出所:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1506」をもとにLIMO編集部作成(30日換算は編集部算出)

ここに介護サービス費の自己負担が加わります。多くの施設はこの基準費用額に近い水準で料金を設定しているため、金額の見当が立てやすいのが公的施設の側です。

4. 調べる前に決めておくこと

まず、自分が探しているのが老人福祉施設なのか、有料老人ホームなのかを分けてください。費用の情報はこの区分ごとに読む必要があります。

次に、公的施設なら基準費用額と居室タイプを確認します。この2つで月額の目安が立ちます。

そして、有料老人ホームなら重要事項説明書まで見ることになります。パンフレットの月額表示に何が含まれているかは、施設ごとに違います。

5. 根拠条文と、値段の決まり方を分けて確かめる

老人福祉法第5条の3が挙げる老人福祉施設は7種類です。特別養護老人ホームは第20条の5、養護老人ホームは第20条の4、軽費老人ホームは第20条の6に定められています。

有料老人ホームは第29条にあり、老人福祉施設ではないものと定義されています。法律が定めているのは届出という手続きで、料金については書かれていません。

一方、介護保険施設の居住費・食費には基準費用額があります。令和8年8月から食費は1日1545円、居住費はユニット型個室で1日2066円です。同じ老人ホームという言葉でも、値段の決まり方が根本から違うということになります。実際の費用と入所の要件は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口や施設にご確認ください。

参考資料

LIMO編集部社会保障解説班