家計調査が映す「切り詰めても軽くならない」食費。エンゲル係数は1981年以来44年ぶりの28.6%に 値下がりは錯覚?カレー物価指数から探る、節約しても苦しい「本当の理由」

執筆者熊谷 良子
家計調査が映す「切り詰めても軽くならない」食費。エンゲル係数は1981年以来44年ぶりの28.6%に
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目次
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1. カレーライス物価は1食349円 11カ月ぶりに350円を下回る
2. 総務省の消費者物価指数からみる「食料インフレ」の実感
3. 家計調査にみる「食費を切り詰める」動き エンゲル係数は44年ぶり高水準
4. まとめにかえて|「高止まり」を前提に家計を見直す
参考資料

夏の疲れが残るこの時期、食卓に並ぶ定番メニューといえばカレーライスという方も多いのではないでしょうか。

その「カレー1食分」の値段が、実は物価の動きをそのまま映す指標になっていることをご存知でしょうか。

帝国データバンクの試算によると、2026年7月のカレーライス1食分の物価は349円。11カ月ぶりに350円を下回った一方、指数でみると依然として高い水準にとどまっています。

本記事では、この「カレーライス物価指数」を入り口に、総務省の消費者物価指数や家計調査など公的統計の数字から、私たちの食卓と家計に何が起きているのかを整理します。

1. カレーライス物価は1食349円 11カ月ぶりに350円を下回る

帝国データバンク「カレーライス物価指数」(2026年9月10日発表)によると、2026年7月のカレーライス物価は1食あたり349円でした。

これは、ビーフ・ポーク・チキン・シーフード・野菜カレーの5メニューを対象に、原材料費に加えて調理にかかる水道光熱費まで含めて算出したもので、6食分をまとめて調理するケースを想定した試算です。全国平均の価格データは総務省「小売物価統計調査」を参照しています。

カレーライス物価指数(2026年7月分)1/2

カレーライス物価指数(2026年7月分)1食349円、前月比−2円、前年比+5円、年初比−21円、指数136.3

出所:帝国データバンク「カレーライス物価」調査(2026年7月分)をもとにLIMO編集部作成

  • 2026年7月:1食349円(前月の6月は351円で、前月比2円の低下。11カ月ぶりに350円を下回った)
  • 前年同月比:2025年7月の344円から5円上昇
  • 年初からの推移:2026年1月の370円からは21円、率にして6%の値下がり
  • 指数値:136.3(2020年平均を100とした場合)

年初と比べれば値下がりが続いているものの、指数は2020年を100として136.3と、依然として3割以上高い水準です。

1年前と比べると5円高いままであることを踏まえると、「値上がりが止まった」というより「高止まりしている」と捉えるのが実態に近いといえそうです。

熊谷 良子

「値段が下がった」という報道だけを見て、家計の負担が軽くなったと考えるのは早計かもしれません。

今回のカレーライス物価指数も、前月・年初からは値下がりしていますが、1年前と比べればまだ高い水準です。物価は「上がり方が緩やかになった」段階であって、「元の水準に戻った」わけではない点に注意が必要です。

仮に4人家族が週2回カレーを作るとすると、1食349円で計算した場合の年間の材料・調理コストはおよそ14万5000円という試算になります(349円×4人×週2回×52週で算出。実際の食材の買い方や量によって変動します)。

「カレーくらい」と思う金額でも、積み重ねると家計への影響は小さくありません。次のページでは、総務省の統計から食卓全体の物価動向を確認していきます。

2. 総務省の消費者物価指数からみる「食料インフレ」の実感
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著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/

【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)相続診断士認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。

【経歴】

二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。

早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。

現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。

総務省「家計調査」厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。

専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)