3. 「放置」すると自動で同意? 押さえておきたい注意点が3つある

意向確認書を受け取ったあと、実際にどう行動すればよいのか、押さえておきたい注意点は次の3つです。

押さえておきたい注意点3つ2/2

押さえておきたい注意点3つ

出所:日本年金機構「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書の送付」をもとにLIMO編集部作成

3.1 1. 登録を希望しない場合は、期限内の返送が必須

公金受取口座への登録を希望しない場合は、意向確認書の下部にある「公金受取口座登録不同意申出書」を切り離し、同封の目隠しシールを貼付したうえで、裏面の差出人欄に記入し、書類記載の返送期限までに返送する必要があります。この手続きを忘れると、希望していなくても登録が進んでしまいます。

3.2 2. 45日を過ぎると、自動的に「同意」した扱いになる

前章で触れたとおり、受け取ってから45日以内に不同意の返送がない場合は、年金振込口座を公金受取口座として登録することに同意したものとして取り扱われます。「あとで対応しよう」と後回しにしているうちに、期限が過ぎてしまうケースは十分に考えられます。

3.3 3. 市区町村の窓口では対応してもらえない

意向確認書に関する問い合わせは、市区町村や年金事務所の窓口では受け付けていません。内容がわからない場合や書類を紛失した場合は、意向確認書照会専用フリーダイヤル(0120-74-0011)に問い合わせる必要があります。

4. 見落としがちな「受け取れなかった場合」の扱い

今回の意向確認書でとくに見落とされやすいのが、「放置した場合」と「そもそも受け取れなかった場合」とで、扱いがまったく異なるという点です。

受け取ってから45日間何もしなければ「同意」したものとして扱われるのに対し、不在などで意向確認書そのものを受け取れなかった場合は、「意向確認が行えなかったもの」として取り扱われます。この場合は自動的に同意したことにはなりません。

つまり、「読まずに放置する」と「受け取れずに終わる」とでは、結果が逆になるということです。長期入院中であったり、家族と離れて暮らす年金受給者宛てに簡易書留が届いたりする場合は、本人が受け取れているかどうかを気にかけておくことが、この非対称なルールを踏まえたうえで意味を持ちます。

受け取り状況がわからない、あるいは書類の内容について不明な点がある場合は、専用フリーダイヤル(0120-74-0011)で確認できます。なお、日本年金機構・厚生労働省・デジタル庁が、電話・SMS・メールで口座番号等の提供を求めることはありません。同種の連絡があった場合は、便乗詐欺の可能性を疑い、専用フリーダイヤルで事実関係を確認してください。

熊谷 良子

制度は毎年少しずつ姿を変えていきます。今回の意向確認書も、受け取った本人がその場で内容を理解し、判断できるかどうかで、その後の手続きの手間が大きく変わってきます。

おすすめしたいのは、簡易書留を受け取った日を、カレンダーや手帳に一言メモしておくことです。「45日以内」という期限は、受け取った瞬間から静かに進んでいきます。開封した日を記録しておくだけで、返送が必要かどうかの期限を後から逆算しやすくなります。

また、意向確認書は受給者本人宛てに個別に送られてくる書類です。同居していないご家族がいる場合、本人がいつ・どんな郵便物を受け取っているかは離れて暮らす家族には見えにくいもの。電話や帰省の折に「意向確認書のような書類が届いていないか」を一言確認しておくのも、有効な備えになります。

届いた書類のたびに立ち止まって中身を確認し、必要であれば記録しておく。その積み重ねが、長い目で見たときの一番のトラブル防止につながります。

5. まとめにかえて

令和8年9月頃に意向確認書が届くのは、昭和30年9月2日から昭和25年3月1日までに生まれた年金受給者です。

登録を希望しない場合は、期限内に「公金受取口座登録不同意申出書」を返送する必要があります。反対に、登録してよいと考える方は、特別な手続きは必要ありません。

受け取ってから45日を過ぎると自動的に「同意」した扱いになる一方、受け取れなかった場合は登録が進まないという、意外と知られていない違いもあります。まずはご自身やご家族が対象の生年月日に当てはまるかを確認し、書類が届いたら早めに中身に目を通すことをおすすめします。

不明な点があれば、意向確認書照会専用フリーダイヤル(0120-74-0011)で確認できます。

参考資料