9月に入り、朝晩は少し涼しさを感じるようになった頃、見慣れない簡易書留がご自宅のポストに届いていた——あるいは、これから届く予定だという方も多いのではないでしょうか。
日本年金機構は2026年8月から、「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書」を生年月日ごとに順次発送しています。令和8年9月頃に届くのは、昭和30年9月2日から昭和25年3月1日までに生まれた年金受給者です。
「受け取ってから45日以内に返送しなければ、自動的に同意したものとして扱われる」という運用が知られる一方で、「受け取れなかった場合」はこれとは逆の扱いになることは、あまり知られていません。
本記事では、9月に意向確認書が届く世代を対象に、届く人・届かない人の条件、「放置」した場合に何が起こるのか、そして見落とされがちな「受け取れなかった場合」との違いを整理します。
※「公金受取口座」登録の意向確認書については、こちらの記事で詳しく解説しています。
1. そもそも「意向確認書」とは?
今回届く書類の正式名称は「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書」です。
公金受取口座登録法の改正により、日本年金機構が保有する年金振込口座の情報を厚生労働省からデジタル庁に提供し、給付金等の受け取りに使う「公金受取口座」として登録することが可能になりました。
この登録に対する本人の意向(同意するかどうか)を確認するための書類が、今回の意向確認書です。書類は「簡易書留」で送付されます。
2. 【9月に届く人はどんな世代?】生年月日別の送付時期
2.1 あなたの意向確認書、いつ届く?
意向確認書は、対象となる方の生年月日によって送付時期が7段階に分かれています。ご自身やご家族の生年月日が、下記のどこに当てはまるか確認してみましょう。
- 昭和36年4月〜30年10月生まれ:令和8年8月頃
- 昭和30年9月〜25年3月生まれ:令和8年9月頃
- 昭和25年2月〜21年7月生まれ:令和8年10月頃
- 昭和21年6月〜16年3月生まれ:令和8年11月頃
- 昭和16年2月〜13年2月生まれ:令和8年12月頃
- 昭和13年1月〜6年4月生まれ:令和9年1月頃
- 昭和6年3月以前生まれ:令和9年2月頃
このうち、昭和30年9月2日から昭和25年3月1日までに生まれた方には、令和8年9月頃に意向確認書が届く見込みです。2026年時点でおおむね満71〜76歳にあたる世代が、今回の主な対象になります。
2.2 届かない人・対象外になるケースは?
すべての年金受給者に一律で届くわけではありません。次のようなケースは対象外とされています。
- すでに公金受取口座の登録を済ませている方
- 年金が全額支給停止となっている方
- 国外に居住している方 など
ご自身が対象かどうか判断がつかない場合は、後述する専用のフリーダイヤルに問い合わせるのが確実です。
2.3 受け取ったら、いつまでに対応が必要?
意向確認書は「受け取ってから45日以内」が返送の目安期限です。たとえば9月10日ごろに受け取ったと仮定すると、45日後にあたる10月下旬ごろまでに返送しないと、自動的に「同意」したものとして扱われます。
実際の受け取り日は世帯ごとに異なるため、正確な返送期限は同封されている書類の記載日で必ず確認してください。
意向確認書について、「返送しないと口座登録は進まない」と思い込んでいる方が少なくありませんが、実際のルールはその逆です。
受け取ってから45日間、不同意の返送をしなければ、何もしなくても自動的に「同意」した扱いになります。つまり、書類を読まずに放置すること自体が、実質的な意思表示になってしまう仕組みです。
登録を望まない場合は、同封の「公金受取口座登録不同意申出書」を期限内に返送する必要があります。逆に登録してよいと考える方は、特に手続きは不要です。
大切なのは「届いたら中身を確認し、自分がどちらを望むかをはっきりさせる」ことです。世帯の中に複数の年金受給者がいる場合は、それぞれ別々に意向確認書が届く可能性がある点にも注意しておきたいところです。次の章では、この45日ルールにまつわる注意点と、意外と知られていない例外について整理します。

