4. 中途換金調整額の計算式は換金する時期で4通りに分かれる
先ほどの1万5538円は、利子を2回受け取ったあとに換金する場合の金額です。財務省は換金する時期ごとに4通りの計算式を示しています。
4.1 第3期利子支払日以降が基本の形になる
第3期利子支払日以降に換金する場合は、額面金額に経過利子相当額を足し、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた金額を差し引きます。
これが最もよく使われる形で、先ほどの試算もこの式によるものです。
4.2 発行から日が浅いうちは初回の利子の扱いが加わる
第2期利子支払日から第3期利子支払日前までの間、初回の利子支払日から第2期利子支払日前までの間、そして初回の利子支払日前は、それぞれ別の式が用意されています。
これらの期間では、初回の利子の調整額を購入時に払い込んだ銘柄かどうかによって差し引く金額が変わります。令和8年10月15日に発行される回号であれば、第3期利子支払日は令和10年4月15日です。
それより前に相続が起きた場合は、基本の形とは違う式で計算することになります。
5. 評価額を出すには、まず口座のある取扱機関に残高を確認する
算式が分かっていても、経過利子相当額と中途換金調整額は自分で正確に出すのが難しい部分です。手順として何から進めればよいかを整理します。
5.1 どの金融機関に口座があるかを確かめる
個人向け国債は、証券会社や銀行、郵便局などの金融機関に開設した国債の口座で管理されています。まず、その口座がどこにあるかを確かめるところからです。
取引報告書や残高のお知らせが手元に残っていれば、そこに取扱機関の名前が書かれています。
5.2 経過利子相当額と中途換金調整額は取扱機関で計算してもらう
口座が分かれば、回号と額面金額、そして課税時期における経過利子相当額と中途換金調整額を取扱機関に確認できます。
財務省も、手続きについては口座を開設している取扱機関に尋ねるよう案内しています。相続税の申告に使う数字なので、書面で受け取っておくと後の手続きが進めやすくなります。
6. まとめにかえて
個人向け国債を相続したときの評価額は、額面金額に経過利子相当額を足し、中途換金調整額を差し引いて計算します。額面がそのまま評価額になるわけではありません。
適用利率が年1.95%で額面100万円なら、中途換金調整額は1万5538円です。ただしこれは第3期利子支払日以降に換金する場合の金額で、発行から日が浅いうちは別の式で計算します。
令和8年9月募集分の適用利率は、固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%、変動10年が年1.95%でした。相続した国債の評価も、これから買う国債の判断も、まずは正確な数字を取扱機関で確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
和田 直子