2. 自分で請求しないと受け取れない制度がある

代行年金は連合会へ請求して受け取ります。実は退職金の世界にも、待っているだけでは振り込まれない制度があります。

請求が必要な退職金の制度は、LIMOの記事「退職金はいつもらえる?中退共・中小企業・公務員・確定拠出年金ごとの支給時期と落とし穴」から要点を借りて確認します。

公務員の退職手当については、法律によって支払いの期限が守られています。国家公務員の場合は「国家公務員退職手当法」などの規定に基づき、原則として退職した日から1ヶ月以内に支給されることになっています。

民間企業が自社の資金を取り崩して従業員に直接支払う「退職一時金」の場合、労働基準法等の法律で「退職後〇日以内に支払わなければならない」という決まりはありません。そのため、振り込みのタイミングは各社が定める「就業規則」や「退職金規程」によります。

出所:LIMO「退職金はいつもらえる?中退共・中小企業・公務員・確定拠出年金ごとの支給時期と落とし穴」

会社の外にある制度だと、動く人が変わります。

日本の中小企業で広く導入されているのが、国がサポートする「中小企業退職金共済(中退共)」という制度です。この制度を利用している場合、退職金の支給元は会社ではなく、中退共事業本部となります。

中退共の特徴は、退職金の請求手続きを「退職者本人」が行わなければならない点です。退職時に会社から「退職金共済手帳(退職金請求書)」を受け取り、ご自身で必要事項を記入し、住民票の写しなどのマイナンバー確認書類とともに、直接機構へ郵送する必要があります。

出所:LIMO「退職金はいつもらえる?中退共・中小企業・公務員・確定拠出年金ごとの支給時期と落とし穴」

請求してから届くまでにも、時間がかかります。

中退共本部が請求書を受理し、書類に不備がないことが確認されると、通常は約4週間(1ヶ月程度)で指定した本人の口座へ退職金が振り込まれます。ただし、退職した月までの掛金を会社がまだ納付していない場合や、掛金の納付方法によっては、確認が取れるまでに2ヶ月半以上かかることもあります。

出所:LIMO「退職金はいつもらえる?中退共・中小企業・公務員・確定拠出年金ごとの支給時期と落とし穴」

そして放置した場合の期限も決まっています。

中退共の退職金を受け取る権利は、退職した日の翌日から5年を経過すると時効により消滅してしまいます。長期間放置すると受け取れなくなる恐れがあるため、退職金共済手帳を受け取ったら速やかに請求手続きを行うことが推奨されます。

出所:LIMO「退職金はいつもらえる?中退共・中小企業・公務員・確定拠出年金ごとの支給時期と落とし穴」

書類の書き方ひとつで、手取りが変わる場面もあります。

中退共の請求書には、税金の負担を軽くするための「退職所得の受給に関する申告書」の欄が一体化しています。ここの記入を忘れると、退職金から一律で約20%の所得税等が源泉徴収されてしまい、後からご自身で確定申告をして取り戻す手間が発生します。

出所:LIMO「退職金はいつもらえる?中退共・中小企業・公務員・確定拠出年金ごとの支給時期と落とし穴」

3. 受け取り先を、勤めていた時期までさかのぼって確かめる

ここまで、厚生年金基金の代行部分の請求先と、自分で請求しないと受け取れない退職金の制度を見てきました。

厚生年金基金は国の老齢厚生年金の報酬比例部分を代行し、プラスアルファ部分を上乗せする仕組みでした。平成26年3月31日までに脱退または解散した場合は企業年金連合会から、平成26年4月1日以後の解散は国から支払われます。代行年金の支給要件は老齢厚生年金と同一です。

一方、中退共の退職金は退職者本人が中退共事業本部へ直接請求し、権利は退職日の翌日から5年で時効になります。国家公務員の退職手当は原則1か月以内、民間の退職一時金は各社の退職金規程によります。

共通しているのは、勤務先の外にある制度ほど自分で動く必要があるという点です。短い期間だけ勤めた会社があるなら、企業年金コールセンターと当時の勤務先の担当部署、両方に当たってみてください。判断に迷う場合は年金事務所にもご相談ください。

参考資料

LIMO編集部社会保障解説班