昔の勤務先に厚生年金基金があった。そう覚えていても、その分の年金がどこから届くのかは分かりにくいものです。

日本年金機構によると、平成26年3月31日までに脱退または解散した基金加入員の年金給付は、企業年金連合会から支給されます。

この記事では請求先が2つに分かれる境目と連合会の給付の種類を確認したうえで、自分で請求しないと受け取れない退職金の制度を見ていきます。

1. 【厚生年金】昔の勤務先の厚生年金基金は、どこからもらうのか

厚生年金基金は、国の年金の一部を代わりに支給する役割を担っていました。まず、その仕組みを確かめます。

1.1 基金は国の報酬比例部分を代行していた

日本年金機構は、厚生年金基金制度について、国の老齢厚生年金の一部である報酬比例部分の支給を代行し、プラスアルファ部分を上乗せして年金給付を行う仕組みだと説明しています。

つまり基金に加入していた期間は、国の年金の一部を基金が肩代わりし、そこに独自の上乗せが付いていたということです。会社員の2階部分の一部が、勤務先の基金から支払われていた形になります。

脱退・解散が平成26年3月31日までか、4月1日以後かで請求先が分かれる1/1

厚生年金基金の代行部分が企業年金連合会から支給される場合と国から支給される場合の分かれ方、連合会の給付の種類を示した図

出所:日本年金機構「厚生年金基金加入期間がある方の年金」などをもとにLIMO編集部作成

1.2 「代行部分」が指しているもの

この言葉が、請求先を分ける鍵になります。

代行部分とは、厚生年金基金および企業年金連合会が国に代わって行う、基金加入員期間にかかる部分の年金給付を指します。

国の年金そのものであって、基金独自の上乗せとは別のものです。だから基金がなくなっても消えるわけではなく、どこかが引き継いで支払うことになります。

1.3 平成26年3月31日までの脱退・解散は連合会から

境目は日付で引かれています。

平成26年3月31日までに厚生年金基金を短期間で脱退した中途脱退者と、同じ日までに解散した厚生年金基金の加入員については、企業年金連合会から年金が支給されます。ただし、その方が老齢厚生年金の受給権を取得した場合に限られます。

解散の時期が平成26年3月31日以前であれば、代行部分に係る最低責任準備金は企業年金連合会に納付されており、その部分の年金給付は老齢厚生年金の受給権を取得したときに連合会から支給される流れです。

1.4 平成26年4月1日以後の解散は国から

同じ日を境に、行き先が変わります。

解散の時期が平成26年4月1日以後の場合は、代行部分に係る最低責任準備金は国に納付されることとされました。この部分は老齢厚生年金として支払われます。

連合会に移るのは残余財産分配金のみで、これも本人の選択によります。同じ「基金が解散した」という経験でも、解散した年によって請求先が違うということです。

1.5 連合会の給付は4種類に分かれている

連合会から支給される年金にも、いくつかの種類があります。

企業年金連合会が挙げているのは、基本年金、代行年金、通算企業年金、基本加算年金・代行加算年金の4つです。

基本年金は平成26年3月までに支給義務の移転申出を受けた厚生年金基金の中途脱退者、代行年金は平成26年3月までに解散した厚生年金基金の解散基金加入員が対象です。基本加算年金・代行加算年金は、平成17年9月までに移換を受けた方が対象になります。

1.6 代行年金の支給要件は老齢厚生年金と同じ

いつからもらえるのかも、国の年金に連動します。

連合会が支給する代行年金は厚生年金の一部であるため、支給要件は老齢厚生年金と同一です。解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を取得したとき、または解散した日において老齢厚生年金の受給権が生じているときに支給されます。

国の年金の受給権がまだ発生していない段階では、代行年金も始まりません。国の年金を請求する時期が、そのまま代行年金の時期になると考えると分かりやすくなります。

1.7 住所や氏名が変わったら届出が必要

ここが請求漏れにつながりやすいところです。

企業年金連合会は、厚生年金基金のある企業に勤めて短期で退職された方や、確定給付企業年金のある企業を短期で退職された一部の方に向けて、住所または氏名の変更の手続きを呼びかけています。

連合会は退職した当時の記録をもとに連絡を取ります。転居や結婚で情報が変わったまま届出をしていないと、案内が届かないまま年月が過ぎることになります。

1.8 問い合わせは企業年金コールセンターへ

自分に該当する記録があるかどうかは、電話で確かめられます。

企業年金コールセンターの番号は0570-02-2666で、受付時間は平日9時から17時までです。土曜、日曜、祝祭日および年末・年始は除かれます。IP電話からは03-5777-2666につながります。

短い期間だけ勤めた会社に基金があった記憶がある方は、一度確認しておく価値があります。加入期間や請求先の判断に迷う場合は、この窓口か年金事務所にご相談ください。

なお、自分で請求しないと受け取れない退職金の制度や、会社が任意で設ける企業年金に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

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