「年金が止まる」偽SMSに要注意。ホンモノの日本年金機構が《絶対にしない》4つのこと 65歳以上に「未納」はあり得ない?公的機関を装う巧妙なフィッシング詐欺の手口と確実な見分け方を徹底解説

執筆者熊谷 良子
「年金が止まる」偽SMSに要注意。ホンモノの日本年金機構が《絶対にしない》4つのこと
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目次
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1. 「今月から年金が止まります」という偽SMS、65歳以上に"未納"はあり得ない理由
2. 日本年金機構をかたる偽SMS・メールの典型パターン(2026年に確認された事例から)
2.1 実際に確認されている偽SMS・メールの件名は?
3. 筆者からのコメント
4. 日本年金機構をかたる偽SMSを見分けるポイントが4つある
4.1 「未納で今月から年金支給停止」は、そもそも制度上あり得ない 4.2 2. 65歳以上に「未納」の通知が届くこと自体、年齢的に不自然 4.3 本物の日本年金機構が「絶対にしないこと」を知っておく 4.4 4. 正規のスマホ決済との違いを知っておく
5. クリックしてしまった・情報を入力してしまったときの対応手順と相談先
5.1 主な相談・通報窓口一覧
6. まとめにかえて|「年金の偽SMS」にも、振り込め詐欺と同じ警戒心を
7. 筆者からのコメント
参考資料

「保険料の未納があるため、今月から年金の支給を止めます」――そんな一文が、ある日突然スマホのSMSに届いたら、驚いて画面のリンクをタップしてしまう人も少なくないでしょう。

実はこの脅し文句、国民年金の制度上そもそもあり得ません。未納の法的な帰結は財産の差押え(強制徴収)であり、すでに受け取っている年金の支給を止める制度ではないからです。

この記事では、日本年金機構をかたる偽SMS・フィッシング詐欺について、実際に確認されている手口のパターンと、本物との見分け方、被害に遭いかけたときの対応手順を、警察庁や日本年金機構、国民生活センターなどの公的機関の発表をもとに整理します。

1. 「今月から年金が止まります」という偽SMS、65歳以上に"未納"はあり得ない理由

特殊詐欺というと、電話越しに息子や孫を装って現金を要求する「オレオレ詐欺」を思い浮かべる方が多いかもしれません。実際、日本年金機構も、職員や委託事業者を名乗って電話や訪問で現金をだまし取ろうとする不審な連絡について、以前から注意を呼びかけてきました。

これに対してSMS・メールを使ったフィッシング詐欺は性質が異なります。

電話のように相手の声のトーンや急かすような話し方から違和感を覚える機会がなく、受け取った本人が一人で、好きなタイミングで文面を読むことになります。

差出人表示や本文に「日本年金機構」「日本年金機構特別窓口」「国民年金センター」「保険年金事務所」「給付センター」といった、公的機関を連想させる名称が使われているケースがあり(日本年金機構)、忙しい合間に流し読みすると本物の通知と区別がつきにくくなります。

さらに、日本年金機構は公式のLINEアカウントを持っていないにもかかわらず、LINEでの手続きを促す偽の案内が確認されたこともあります(日本年金機構)。SNSやSMSなど、電話以外の複数の経路が悪用されている点も、この手口の厄介なところです。

2. 日本年金機構をかたる偽SMS・メールの典型パターン(2026年に確認された事例から)

フィッシング対策協議会は2026年5月18日、国民年金の納付依頼を装うフィッシングについて緊急情報を発表しました(フィッシング対策協議会)。それによると、確認されている件名には次のようなものがあります。

いずれも「未納」「差し押さえ」「最終確認」など、読み手の不安をあおる言葉が並んでいるのが特徴です。

2.1 実際に確認されている偽SMS・メールの件名は?

  • 「【重要】国民年金保険料の未納に関する最終確認通知」
  • 「【日本年金】差押執行前の最終確認および緊急納付のご案内」
  • 「【日本年金機構】督促状の送付および執行手続きに関するご連絡」
  • 「差押予告通知書(最終通知)」
  • 「マイナンバー等情報未登録に伴う重要なお知らせ」

本文中のリンクをタップすると、正規のQRコード決済サービスのURLを装った偽サイトや、それに似せた中間ドメインを経由するページへ誘導され、そこで金銭を送金させられます。同協議会は、こうしたフィッシングサイトが発表時点でなお稼働中であることも明らかにしています(フィッシング対策協議会)。

また文中には「令和8年5月X日までに」「2026年3月31日23:59まで」のような具体的な期限が書かれているケースもあります(日本年金機構)。期限を区切って急かす書き方は、落ち着いて確認する時間を与えないための常套手段と考えられます。

3. 筆者からのコメント

熊谷 良子

多くの方は「もし本当に未納なら、放っておくと年金が減るくらいで済むのでは」と考えがちですが、実際はそう単純ではありません。日本年金機構によると、督促や催告に応じないまま滞納を続けると、財産の差押えという強制的な手続きに進む場合があります。

一方で、偽SMSが脅す「今月からいきなり年金の支給を止める」という話は、そもそも制度として存在しません。すでに年金を受け取っている方の支給停止と、保険料の未納は、法律上まったく別の話だからです。

離れて暮らす親のスマホに、身に覚えのない「年金」がらみのメッセージが届いていないか、たまには一緒に確認してみてもいいかもしれません。電話と違って、SMSは本人が気づかない限り誰にも相談できないまま時間が過ぎてしまいます。「怪しいメッセージが来たら、まず家族に見せてね」と話しておくだけでも、いざというときの被害を防げるはずです。

4. 日本年金機構をかたる偽SMSを見分けるポイントが4つある
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著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/

【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)相続診断士認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。

【経歴】

二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。

早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。

現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。

総務省「家計調査」厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。

専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)