1. 【2026年8月公表】75歳以上の1人当たり医療費は年98万9000円になった
厚生労働省は2026年8月28日に「令和7年度 医療費の動向」を公表しました。医療機関から提出された診療報酬明細書をもとに集計した、概算医療費の年度集計結果です。
この資料には年齢区分別の1人当たり医療費が載っています。まずは75歳以上の医療費がどれくらいの水準にあるのかを確認していきましょう。
1.1 令和7年度の概算医療費は49.2兆円、うち75歳以上分は20.3兆円
令和7年度の概算医療費は49.2兆円で、前年度に比べて約1.3兆円の増加でした。伸び率は2.6%です。
このうち医療保険適用の75歳以上、つまり後期高齢者医療制度の対象となる方に係る医療費は20.3兆円でした。全体に占める構成割合は41.3%で、前年度の19.6兆円から0.76兆円増えています。
1.2 75歳以上の1人当たり医療費は75歳未満の約3.8倍
1人当たりの医療費で見ますと、令和7年度は全体の総計が40万円、75歳未満が26万1000円、75歳以上が98万9000円でした。
75歳以上と75歳未満を並べますと、およそ3.8倍の差があります。1人当たり医療費は医療費の総額を加入者数で割った値なので、75歳を境に医療にかかるお金の水準が大きく変わることがわかります。
なお加入者数が未確定の制度もあるため、この数値は今後置き換わる場合があります。
2. 後期高齢者医療の窓口負担割合は1割・2割・3割の3段階に分かれる
医療費の水準を確認したところで、次はそのうち自分が窓口で支払う割合を見ていきましょう。
後期高齢者医療制度の窓口負担割合は1割・2割・3割の3段階です。令和4年10月1日から、一定以上の所得がある方の2割負担が加わり、現在の3段階になりました。
2.1 3割負担になるのは住民税課税所得145万円以上
住民税の課税所得が145万円以上の被保険者がいる世帯は、現役並み所得者として3割負担になります。
判定は世帯単位で行われるため、同じ世帯にいる他の被保険者も3割負担になります。自分の所得が低くても、同居している被保険者の所得によって割合が上がることがあるという点が、この制度の特徴です。
2.2 2割負担になるのは課税所得と収入の2つの基準に当てはまる場合
2割負担になるのは、世帯に住民税課税所得28万円以上145万円未満の被保険者がいて、なおかつ収入の基準にも当てはまる場合です。
収入の基準は「年金収入+その他の合計所得金額」で見ます。被保険者が世帯に1人であれば200万円以上、2人以上であれば合計320万円以上が基準です。
課税所得の基準に当てはまっても、収入の基準に届かなければ2割にはなりません。2つの条件がそろったときに2割負担になる仕組みです。
2.3 1割負担になるのは世帯の被保険者全員の課税所得が28万円未満
世帯にいる被保険者全員の住民税課税所得が28万円未満であれば1割負担です。住民税が非課税の世帯も1割負担になります。
後期高齢者医療の窓口負担割合の判定基準。課税所得と収入の2つの基準で決まります2/2
出所:埼玉県後期高齢者医療広域連合「患者負担の概要」および東京都後期高齢者医療広域連合「自己負担割合」をもとにLIMO編集部作成
注意していただきたいのは、この判定が世帯単位で行われるという点です。1割と3割では同じ医療費でも窓口で支払う額が3倍変わりますので、ご自身がどの区分にあたるかを確かめてから金額を当てはめるとよいでしょう。
