4. 準要保護の認定基準は市町村ごとに決められている
準要保護への国の補助は三位一体の改革により平成17年度に廃止され、税源移譲と地方財政措置が行われました。いまは各市町村が単独で実施しているため、誰が対象になるかの線引きも自治体ごとに違います。
4.1 住民税非課税を要件に挙げている自治体がある
新座市は認定要件として、所得基準のほかに、児童扶養手当の受給、生活保護法による要保護者、生活保護の停止または廃止、地方税法第295条第1項による市町村民税の非課税、地方税法第323条による市町村民税の減免などを挙げています。
国民年金法第89条・第90条による保険料の減免、国民健康保険法第77条による保険料の減免または徴収の猶予も要件に含まれています。住民税が非課税であることは、そのうちのひとつという位置づけです。
4.2 所得の基準額は世帯構成で変わる
清瀬市は前年の合計所得金額の上限を世帯構成別に公表しています。親と中学生の2人家族で約264万円、親と中学生と小学生の3人家族で約300万円、親2人と小学生2人の4人家族で約326万円、親2人と子3人の5人家族で約347万円です。
同じ所得でも、家族の人数が違えば結論が変わります。自分の世帯がどの位置にあるかは、住んでいる市区町村の基準額表で確かめる必要があります。
5. 国の補助は要保護児童生徒に限られている
就学援助を国が支えている部分は、思われているより小さいものです。ここを知っておくと、自治体ごとに額が違う理由も分かります。
5.1 要保護児童生徒援助費補助金の補助率は2分の1
国庫補助の対象は要保護児童生徒への援助に限られており、補助率は2分の1、しかも予算の範囲内とされています。令和8年度の予算額は約5億円で、令和7年度と同額です。
約109万人にのぼる準要保護児童生徒への援助は、この補助の外側にあります。
5.2 だから額も費目も自治体で差が出る
財源を市町村が単独で負担しているため、費目の設定や限度額に差が生まれます。清瀬市がオンライン学習通信費として世帯単位で1万5000円を設定しているのに対し、新座市は上限3000円としているのがその一例です。
他市の記事や情報をそのまま自分の家庭に当てはめると、金額の見込みがずれます。
5.3 生活保護を受けている世帯は対象の費目が限られる
生活保護を受けている世帯には、生活保護から教育扶助が支給されます。そのため就学援助で受けられる費目は限られます。
清瀬市の場合、生活保護を受けている方が就学援助の対象となるのは修学旅行費と医療費の2費目です。要保護にあたる世帯は、まず生活保護の担当窓口に確認するのが早道になります。
6. 申請の入口は学校にある
就学援助は申請しなければ始まりません。手続きの入口は、多くの自治体で学校に置かれています。
6.1 年度初めに案内が配られる
多くの市町村では、年度の初めに学校を通じて案内が配られます。清瀬市の場合は「令和8年度就学援助制度のお知らせ」が学校から配布され、記載のQRコードから電子申請する仕組みです。
清瀬市の受付期間は令和8年4月7日から4月30日までですが、5月以降も申請を受け付けています。ただし5月以降に申請した場合、支給対象となるのは認定された月以降の分だけで、4月まで遡ることはできません。
6.2 入学前支給は申請の時期が早い
新入学児童生徒学用品費の入学前支給を受けるには、入学の前年に申請する必要があります。清瀬市の新入学準備金は、11月末までに申請することが支給の要件とされています。
入学してから申請すると、前倒しの支給には間に合いません。進学が近いご家庭は、いまの時期に市区町村の案内を確かめておくとよいでしょう。
7. まとめ
就学援助は要保護と準要保護に分かれ、令和6年度は要保護が約8万人、準要保護が約109万人でした。援助を受けている児童生徒の大半は準要保護にあたります。
国庫補助の対象品目は学用品費や学校給食費のほか、修学旅行費や医療費、オンライン学習通信費まで広がります。ただし準要保護の費目は市町村が決めるため、すべてがそろうとは限りません。
新座市と清瀬市はいずれも、令和8年度の新入学児童生徒学用品費を小学校6万4300円、中学校8万1000円としています。認定基準と支給額は市町村が定めるため、住んでいる場所で結論が変わります。
まずは学校から配られる案内か、市区町村の教育委員会のページで、自分の住む地域の基準額と申請の時期を確かめてみてください。入学前支給を狙う場合は、申請の期限が入学の前年にある点に注意しましょう。
参考資料
中本 智恵