子どもが生まれて児童手当を申請したものの、「いつになったらお金が振り込まれるのか」が分からず不安になる人は少なくありません。実は、申請してから実際に振り込まれるまでには、意外と時間差があります。

この記事では、こども家庭庁の公式情報にもとづき、児童手当がいつから支給対象になり、実際にいつ振り込まれるのかを、編集部が整理します。

「申請したのに振り込まれない」という不安の多くは、実は制度の仕組みそのものを知っていれば解消できるものです。まずは申請期限と支給サイクルの2点を押さえておきましょう。

1. 出生日から15日以内に申請すれば、もらい損ねを防げる

こども家庭庁の公式情報によると、「出生日の次の日から数えて15日以内に、お住まいの市区町村(手当を受け取る人が公務員の場合は勤務先)への申請手続が必要」です。この期限内に申請すれば、遅れることなく「出生した月の翌月分」から支給対象になります(※児童手当は誕生月の分は支給されず、翌月分からが対象です)。

「月末に生まれたら、申請の手続きが翌月にずれ込んで損をするのでは」と心配する人もいますが、こども家庭庁の公式情報によると「出生日が月末に近い場合、申請日が翌月になっても出生日の次の日から数えて15日以内であれば、申請をした月分から支給」されるとされています。これにより、本来もらえるはずだった手当を取りこぼさずに済みます。出生日から15日というカウントが基準であり、暦上の月をまたいでも不利になりません。

齊藤 慧
出産直後は他の手続きに追われて、児童手当の申請が後回しになりがちです。15日という期限は思ったより短いので、退院後できるだけ早いタイミングで、母子手帳とあわせて手続きの予定を組んでおくことをおすすめします。出生届と同時に済ませてしまうのが、一番確実な方法です。

2. 15日を過ぎると、原則さかのぼって支給されない

こども家庭庁の公式情報によると、「申請が遅れると、原則として遅れた月分の手当を受けられなくなります」とされています。15日特例の期間を過ぎて申請した場合、申請した月の翌月分からの支給となり、それ以前の月分は原則として受け取れません。

「多少申請が遅れても、まとめて後から振り込まれるだろう」と思っていると、実際には遅れた月数分がそのまま受け取れなくなることを見落としがちです。児童手当は月額の積み重ねなので、申請の遅れは直接的な金額の損失につながります。

2.1 【申請タイミングによる支給対象月の違い】

前提:こども家庭庁公表の資料に基づく編集部整理1/2

前提:こども家庭庁公表の資料に基づく編集部整理

出所:こども家庭庁『児童手当Q&A』

  • 出生日の翌日から15日以内に申請:出生した月の翌月分から対象になります
  • 15日を過ぎてから申請:申請した月の翌月分から対象になり、それ以前は原則対象外です

3. 【編集者の視点】

実務上、里帰り出産等で住民票のある市区町村と実際に出産する場所が異なる場合でも、申請先は住民票のある市区町村です。里帰り中でも郵送等で申請できる場合が多いので、出産予定の病院や市区町村窓口に、里帰り中の申請方法をあらかじめ確認しておくと安心です。

※本記事は、編集部がこども家庭庁が公表する公式の最新情報を直接確認の上、執筆・検証しています。

4. 支給日は偶数月の15日、前2か月分をまとめて

こども家庭庁の公式情報によると、「児童手当は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月(偶数月)に、それぞれの前月分まで(2か月分)を支給します」とされています。つまり、支給対象月になったからといって、その月にすぐ振り込まれるわけではありません。

「対象月になった時点で、その月のうちに振り込まれるはず」と思っていると、実際には次の偶数月の支給日まで待つ必要があることを見落としがちです。申請のタイミングによっては、支給対象になってから実際の振込まで、数か月のタイムラグが生じる場合があります。

5. 編集部試算:出生月別、初回振込までの期間

例えば、1月に子どもが生まれて15日以内に申請した場合、支給対象は「2月分」からになります。2月分は3月分とあわせて4月15日の支給日に振り込まれるため、出生から初回振込まで約3か月かかります。

一方、2月に生まれた場合、支給対象は「3月分」からになります。3月分の1か月分が直近の4月15日に振り込まれるため、出生から初回振込まで約2か月で済みます。3月に生まれた場合は、支給対象が「4月分」からになり、4月分は5月分とあわせて6月15日に振り込まれるため、出生から初回振込まで約3か月です。このように、出生月によって支給対象月と実際の振込日の組み合わせが変わり、初回振込までの期間にも差が出ます。

5.1 【編集部試算:出生月別の初回振込までの目安】

前提:こども家庭庁公表の支給スケジュール(偶数月15日、前2か月分支給)にもとづく編集部の整理2/2

前提:こども家庭庁公表の支給スケジュール(偶数月15日、前2か月分支給)にもとづく編集部の整理

出所:こども家庭庁『児童手当Q&A』 を基に編集部試算

  • 1月(奇数月)出生・申請:2月分から対象になり、初回の支給日は4月15日、出生からの目安期間は約3か月です
  • 2月(偶数月)出生・申請:3月分から対象になり、初回の支給日は4月15日、出生からの目安期間は約2か月です
  • 3月(奇数月)出生・申請:4月分から対象になり、初回の支給日は6月15日、出生からの目安期間は約3か月です

このように、生まれた月によって支給開始月と直近の支給日の組み合わせが変わるため、出生から初回振込までの期間には差が生じます。実際の振込日は、お住まいの市区町村の案内で確認してください。

齊藤 慧
「思ったより振り込まれるのが遅い」と焦って窓口に問い合わせる人がいますが、多くの場合は支給サイクルの仕組みによるもので、手続きの不備ではありません。まずは次の支給日がいつかを確認してみると、不安が解消されることが多いです。カレンダーに支給日をメモしておくと安心です。

6. 【編集者の視点】

実務上、初めて申請する家庭ほど「振込が来ない」という不安を強く感じる傾向があります。事前にこの支給サイクルを知っておくだけで、待っている間の不安がかなり和らぎます。

7. 公務員の場合は、市区町村ではなく勤務先に申請する

こども家庭庁の公式情報によると、「お住まいの市区町村(手当を受け取る人が公務員の場合は勤務先)への申請手続が必要」とされています。一般の会社員や自営業者は住んでいる市区町村が申請先ですが、公務員の場合は勤務先が申請先になります。

「児童手当の申請先は、どんな職業でも市区町村のはず」と思い込んでいると、実際には公務員だけ申請先が異なることを見落としがちです。配偶者が公務員で自分が会社員という家庭では、どちらが申請者になるかによって申請先が変わるため、事前に確認しておくとよいでしょう。支給日そのものの全国共通ルールについては、児童手当の支給日を整理した別記事もあわせて確認してみてください。

8. 転入・引っ越しの場合も、15日特例の考え方は同じ

出生だけでなく、他の市区町村から転入した場合も、同様に15日以内の申請ルールが適用されます。転入前の市区町村ですでに児童手当を受給していた場合、転出によって受給資格がいったん失われるため、転入先の市区町村であらためて認定請求を行う必要があります。

「転入前から受給していたのだから、自動的に転入先に引き継がれるはず」と思っていると、実際には転入先の市区町村への申請が別途必要であることを見落としがちです。引っ越しの手続きの中に、児童手当の認定請求も必ず含めておくことが大切です。

8.1 転出・転入の間に空白期間ができないよう注意する

転出した日の翌日から15日以内に転入先で申請すれば、転出前と同様に、申請が翌月にずれ込んでも遡って支給対象になります。引っ越しの前後でバタバタしがちな時期ですが、この15日というルールは出生時と同じ考え方なので、意識しておくと安心です。

齊藤 慧
引っ越しシーズンは転出・転入の手続きだけで手一杯になりがちですが、児童手当の認定請求も忘れずに行うリストに加えておくことをおすすめします。役所の窓口で他の手続きとあわせて案内してもらえることが多いです。

9. 【編集者の視点】

実務上、転入時の児童手当の手続き漏れは、出生時よりもさらに見落とされやすい傾向があります。引っ越し先の市区町村の窓口で、転入届を出す際に「児童手当の手続きも必要か」を一言確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

10. 認定請求書の提出に必要な主な書類

認定請求書の提出時には、請求者の健康保険証の写しや、請求者名義の振込先口座が分かる通帳の写し等が必要になる場合があります。必要書類は市区町村によって多少異なるため、事前にウェブサイトや窓口で確認しておくとスムーズです。

「出生届を出せば、児童手当の手続きも自動的に終わっているはず」と考えていると、実際には認定請求書という別の書類の提出が必要であることを見落としがちです。出生届と同時に手続きできる自治体も多いので、窓口で一緒に済ませられるか確認してみるとよいでしょう。

11. 現況届の提出も忘れずに行う

児童手当を継続して受け取るための「現況届」は、令和4年6月分以降は原則として提出が不要になっています。ただし、配偶者と別居している場合や住民票の住所地と異なる市区町村で受給している場合など、一部のケースでは引き続き提出が必要です。

「一度申請すれば、その後は何もしなくてよい」と考えて差し支えないケースが大半ですが、現況届の提出が必要な対象者には市区町村から案内が郵送されるため、届いた場合は必ず期限内に手続きすることが大切です。

12. 離婚等で受給者が変わる場合の申請タイミング

離婚等により、児童手当を受け取る人(受給者)が変わる場合も、新たに受給者となる人が認定請求を行う必要があります。この場合も、原則として離婚等の事情が生じた日の翌日から15日以内に申請すれば、遡って支給対象になる考え方が適用されます。

「離婚したら自動的に受給者が切り替わるはず」と思っていると、実際には新しい受給者側からの申請手続きが必要であることを見落としがちです。離婚協議の中で、児童手当の受給者をどちらにするかを早めに決め、決まり次第すみやかに市区町村へ申請することをおすすめします。

実務上、離婚に伴う児童手当の受給者変更は、他の手続き(親権、養育費等)に気を取られて後回しになりがちです。生活状況が大きく変わるタイミングだからこそ、児童手当の手続きも早めに済ませておくことをおすすめします。

13. 双子・三つ子など多胎児が生まれた場合も、申請は1回でまとめて行う

双子や三つ子など、多胎児が生まれた場合の児童手当の申請は、子ども1人ごとに別々の認定請求書を出す必要はありません。1通の認定請求書に対象となる子ども全員分をまとめて記載し、1回の申請で手続きが完了する扱いになっています。

「人数分の書類を用意しなければならないのでは」と身構えてしまいがちですが、実務上は出生届と同時に、まとめて1回で申請すれば足ります。申請期限の考え方(出生日の翌日から15日以内に申請すれば出生月の翌月分から対象)も、子どもの人数にかかわらず共通です。

多胎児の場合、出産後の入院期間が単胎に比べて長引くケースもあり、退院後にまとめて手続きをしようとすると15日の期限に近づいてしまうことがあります。出生届の提出時に、児童手当の認定請求も同時に済ませておくと、期限切れのリスクを避けやすくなります。

14. 里帰り出産で住民票のある市区町村を離れていても、申請先は変わらない

里帰り出産のため、実家のある別の市区町村に長期間滞在している場合でも、児童手当の申請先は原則として父母の住民票がある市区町村です。里帰り先の役所に申請するわけではないため、間違えないよう注意が必要です。

「今いる場所の役所に届け出ればいいのでは」と考えて里帰り先の窓口を訪ねても、住民票が無い自治体では受け付けてもらえないことがあります。郵送での申請や、代理人による提出が認められている自治体も多いため、里帰り前に住民票のある市区町村の窓口に、申請方法(郵送可否、必要書類、代理提出の可否)を確認しておくと安心です。

認定請求書自体は、出生届の提出とあわせて父母のどちらかが行うのが一般的ですが、里帰り中で本人が窓口に行けない場合は、配偶者や親族が代理で提出できる自治体が多くなっています。15日という期限は里帰り中でも変わらないため、早めに手続きの段取りを決めておくことが大切です。

15. まとめ

  • 出生日の翌日から15日以内に申請すれば、出生した月の翌月分から支給対象になります。
  • 15日を過ぎて申請すると、原則として遅れた月分はさかのぼって支給されません。
  • 支給日は偶数月の15日で、前2か月分がまとめて振り込まれるため、申請のタイミングによって初回振込までの期間に差が出ます。

出産後は他の手続きに追われがちですが、児童手当は15日という期限があるため、できるだけ早く申請を済ませておくことが大切です。

申請してすぐに振り込まれないからといって焦る必要はなく、まずは次の偶数月の支給日を確認し、それでも振り込まれない場合に市区町村や勤務先に問い合わせるとよいでしょう。

16. よくある質問

16.1 Q. 児童手当はいつから支給対象になりますか。

A. 出生日の翌日から15日以内に申請すれば、出生した月の翌月分から支給対象になります。

16.2 Q. 申請が15日を過ぎてしまった場合、さかのぼって支給されますか。

A. 原則としてさかのぼって支給されません。申請した月の翌月分からの支給になります。

16.3 Q. 児童手当はいつ振り込まれますか。

A. 偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日に、それぞれ前2か月分がまとめて振り込まれます。

16.4 Q. 申請してから初回の振込までどのくらいかかりますか。

A. 出生・申請の月によって異なります。支給対象は出生月の翌月分からで、直近の偶数月の支給日に振り込まれるため、月によっては初回振込まで数か月かかる場合があります。

16.5 Q. 公務員の場合も、市区町村に申請しますか。

A. いいえ。公務員の場合は市区町村ではなく、勤務先への申請が必要です。

16.6 Q. 引っ越しをした場合も、あらためて申請が必要ですか。

A. 必要です。転出によって受給資格がいったん失われるため、転入先の市区町村で認定請求をあらためて行う必要があります。

16.7 Q. 認定請求書の提出には、何が必要ですか。

A. 請求者の健康保険証の写しや振込先口座が分かる通帳の写し等が必要になる場合があります。詳細は市区町村により異なるため事前に確認してください。

16.8 Q. 一度申請すれば、その後は手続き不要ですか。

A. いいえ。令和4年6月分以降、現況届の提出は原則不要になりました。ただし、配偶者と別居している場合など一部のケースでは引き続き必要で、その場合は提出を忘れると支給が止まることがあります。

16.9 Q. 離婚等で受給者が変わる場合も、あらためて申請が必要ですか。

A. 必要です。新たに受給者となる人が認定請求を行い、離婚等の事情が生じた日の翌日から15日以内に申請すれば遡って支給対象になります。

参考資料

齊藤 慧