4. 住居手当は家賃の一部を補うもので、住居費そのものを賄う額ではない
住居手当の上限は月2万8000円です。家賃がそれを大きく超える場合、差額は自分で負担することになります。
4.1 家賃と手当の差額を毎月の固定費として見る
家賃から住居手当を引いた額が、実際に家計から出ていく住居費です。手当の額だけを見て住まいを選ぶと、この差額を見落とします。
1級地のように借家の割合が高い地域では、家賃の水準も高い傾向があります。手当が同じでも、負担する差額は地域によって変わってきます。
4.2 公務員宿舎と借家では、家計に出てくる形が違う
公務員宿舎に住む場合は使用料を負担し、住居手当の対象にはなりません。第13表で公務員宿舎に住む6万7163人は、そもそも住居手当の対象外です。
一方、借家・借間に住む7万4388人に対して受給人員は7万1837人です。借家に住んでいても対象にならない場合があり、家賃が月額1万6000円以下であれば支給されません。
宿舎から借家へ移れば家賃と住居手当が発生し、逆に借家から宿舎へ移れば手当が止まります。どちらが手元に残る額が多いかは、家賃と使用料を並べて比べないと判断できません。
5. 持ち家を検討するときに、住居手当を前提に置かない
自宅に住む職員は10万6779人で、いちばん多い区分です。ただし持ち家に移ると住居手当の扱いは変わります。
5.1 自宅に住む場合は住居手当の支給額の一覧に区分がない
人事院の令和8年4月現在の資料で住居手当の支給額が示されているのは、借家・借間に居住する職員と、配偶者等が借家・借間に居住する単身赴任手当の受給職員です。
借家から持ち家へ移るときは、住居手当がなくなる前提で返済額を組み立てておくと後で困りません。自分の場合にどう扱われるかは、勤務先の給与担当に確かめておくのが確実です。
5.2 返済額は手当を差し引く前の数字で考えておく
住宅ローンの返済額を決めるとき、手当を含めた額面を基準にすると余裕を見誤ります。異動や住まいの変更で手当が動く可能性があるためです。
額面ではなく手取りで、しかも手当を除いた部分で返済できるかを見ておくと、勤務地が変わっても組み直さずに済みます。返済期間が長いほど、この差は大きくなります。
5.3 住まいを決める前に、給与担当と金融機関の両方で数字を出してもらう
住居手当の対象になるかどうか、いくらになるかは家賃の額と住まいの種類で決まります。判断のもとになる書類は勤務先に提出することになります。
借入の可否や返済額は金融機関の審査で決まります。手当の見込みと返済額のどちらも書面で受け取って並べると、毎月いくら残るのかがはっきりしてきます。
6. まとめにかえて
令和8年調査では、住まいの内訳は自宅10万6779人(42.9パーセント)、借家・借間7万4388人(29.9パーセント)、公務員宿舎6万7163人(27.0パーセント)でした。
住居手当は家賃1万6000円を超える借家・借間が対象で最高2万8000円、受給人員は7万1837人です。級地別に見ると1級地は借家・借間が33.6パーセント、非支給地は公務員宿舎が36.5パーセントで最も多くなっていました。
まずは手元の家賃と給与明細の住居手当の額を並べて、実際に負担している住居費を確かめてみてください。住まいを変える予定があるときは、勤務先の給与担当に手当の見込みを聞いておくと判断しやすくなります。
参考資料
中本 智恵