5. 母子加算と障害者加算は原則として併給できない
加算は該当するものがすべて足されるわけではありません。
5.1 資料の注記に「原則併給できない」と明記されている
厚生労働省の令和8年4月の資料では、加算額の注記として「障害者加算と母子加算は原則併給できない」と記されています。
ひとり親世帯で、かつ障害のある方が世帯にいる場合、両方の加算が重ねて付く形にはならないという意味です。実際にどちらが適用されるかは、福祉事務所の判断になります。
5.2 妊産婦加算などは別に設けられている
同じ注記には「このほか、『妊産婦』などがいる場合は、別途妊産婦加算等がある」とあります。
母子加算・障害者加算・児童養育加算のほかにも加算の種類があり、世帯の事情に応じて計上される仕組みです。
6. 加算は「最低生活費」を組み立てる6つの要素のひとつ
加算の額だけを見ても、実際に手元に入る保護費は分かりません。加算が最低生活費のどこに入るのかを見ておきましょう。
6.1 最低生活費はAからFの合計で決まる
厚生労働省の資料は、最低生活費を「A+B+C+D+E+F」の形で示しています。加算額はこのうちBにあたります。
Aは生活扶助基準(第1類+第2類)に特例加算(1人当たり月額1500円)と経過的加算を足したもので、Cは住宅扶助、Dは教育扶助と高等学校等就学費、Eは介護扶助、Fは医療扶助です。
6.2 保護費は最低生活費から収入を差し引いた差額
厚生労働省の生活保護制度のページによると、保護費は最低生活費から世帯の収入を差し引いた差額です。
年金や手当は「あらゆるものの活用」として先に受け取ることが前提とされているため、収入がある世帯では、加算が付いても保護費そのものは収入の分だけ少なくなります。
7. 相談と申請は福祉事務所の生活保護担当が窓口になる
加算の対象になるかどうかは、世帯の状況を確かめたうえで決まります。
7.1 市区部は市区、町村部は都道府県が福祉事務所を設置する
福祉事務所は、市区部では市区、町村部では都道府県が設置しています。福祉事務所を設置していない町村では、町村役場でも申請を受け付けられる仕組みです。
級地区分や世帯の構成によって額が変わるため、自分の世帯でいくらになるのかは、住んでいる自治体の窓口で確かめるのが確実です。
8. まとめ
令和8年4月の基準では、母子加算は1級地で児童1人1万8800円、児童2人で2万3600円です。児童養育加算は児童1人につき1万190円で、級地による差はありません。
障害者加算は1級地で1・2級が2万7460円、3級が1万8300円で、いずれも令和7年4月の額から引き上げられました。障害者加算と母子加算は原則として併給できないと注記されています。
加算は最低生活費を組み立てる要素のひとつで、実際の保護費は最低生活費から収入を差し引いた差額です。制度の細かい適用は福祉事務所の生活保護担当に相談できます。