生活保護の金額は世帯の人数や住んでいる地域で決まると聞くと、一律の基準があるように思えます。

実際には、世帯の事情に応じて上乗せされる「各種加算」があります。厚生労働省が示している令和8年4月の生活扶助基準額の算出方法では、母子加算・障害者加算・児童養育加算などが加算額として整理されています。

この記事では、2026年4月からの母子加算・児童養育加算・障害者加算の額と、対象になる要件を確認していきます。

1. 生活保護の生活扶助には該当者がいるときだけ「各種加算」が加わる

生活保護の扶助は、生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭の8種類です。各種加算は、そのうち生活扶助の中に置かれています。

厚生労働省の資料には「該当者がいるときだけ、その分を加える」と書かれています。すべての世帯に一律で付くものではありません。

1.1 額は級地区分によって変わる

生活保護の基準額は、物価や生活水準の違いを反映するため、市区町村ごとに級地区分が定められています。

加算額も級地に応じて設定されており、1級地・2級地・3級地で額が異なります。同じ世帯構成でも、住んでいる自治体によって加算の額が変わることになります。

1.2 入院患者や施設入所者は額が異なる場合がある

同じ資料の注記には「入院患者、施設入所者は金額が異なる場合がある」とあります。

在宅で生活している場合を前提に額が並んでいるため、入院中や施設入所中の扱いは福祉事務所で確かめることになります。

2. 2026年4月からの母子加算は1級地で児童1人1万8800円

ひとり親世帯に上乗せされるのが母子加算です。

2.1 児童2人なら2万3600円、3人以上は1人につき2900円を加える

令和8年4月の基準では、母子世帯等の加算額は次のとおりです(1級地・2級地・3級地の順)。

  • 児童1人の場合:1万8800円/1万7400円/1万6100円
  • 児童2人の場合:2万3600円/2万1800円/2万200円
  • 3人以上の児童1人につき加える額:2900円/2700円/2500円

児童1人の場合を見ると、1級地と3級地では2700円の差があります。

2.2 対象になる「児童」は18歳になる日以後の最初の3月31日までの者

資料の注記では、児童を「18歳になる日以後の最初の3月31日までの者」と定義しています。

高校を卒業する年齢を過ぎると対象から外れる形です。なお、一定の要件を満たす「母子世帯等」には、別途経過的加算が設けられています。

3. 児童養育加算は児童1人につき1万190円で級地による差がない

子どもを養育している世帯に加わるのが児童養育加算です。

令和8年4月の基準では、児童を養育する場合の加算額は児童1人につき1万190円です。母子加算と違い、級地による差は設けられていません。

厚生労働省が社会保障審議会生活保護基準部会に示した資料では、この加算は学校外で必要な子どもの健全育成費用に対応するものと説明されています。学習塾費や習い事の月謝などが想定されている費用です。

令和8年4月の生活扶助基準額における加算額(級地別・月額)1/2

令和8年4月の生活扶助基準額における加算額(級地別・月額)

出所:厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和8年4月)」を参考にLIMO編集部作成

4. 障害者加算は1級地で1・2級が2万7460円

障害のある方がいる世帯には障害者加算が加わります。

令和8年4月の基準では、身体障害者障害程度等級表1・2級に該当する者等が2万7460円(1級地)、2万5540円(2級地)、2万3620円(3級地)です。

3級に該当する者等は1万8300円(1級地)、1万7020円(2級地)、1万5750円(3級地)となっています。

令和7年4月の基準では1・2級が2万6810円(1級地)、3級が1万7870円(1級地)でした。1年で1・2級は650円、3級は430円引き上げられたことになります。

熊谷 良子

生活保護の加算は、厚生労働省が毎年公表している算出方法の資料に級地別の額が載っています。年度が替わると数字が動くので、いつの基準かを確かめながら読むと誤解が減ります。