2026年9月9日、財務省から「新窓販国債」5年ものの9月債の発行条件が公表されました。

これで、個人向け国債(変動10年・固定5年・固定3年)と新窓販国債(2年・5年・10年)、あわせて6種類の9月募集分がすべて出そろったことになります。

1. 新窓販国債「5年」9月債の発行条件

まずは、今回新たに発行条件が公表された新窓販国債「5年」9月債の内容を確認しましょう。

1.1 表面利率は年2.2%、発行日は10月13日

新窓販国債「5年」の9月債(第187回)は、募集期間が令和8年9月11日から9月30日まで、発行日は令和8年10月13日です。表面利率は年2.2%(税引後年1.753070%)で、応募者利回りは年2.171%(税引後年1.725%)となっています。募集の価格は額面金額100円につき100円12銭で、額面金額をわずかに上回る価格での購入になります。

  • 申込み単位:額面金額で最低5万円から5万円単位
  • 1回の申込み当たりの上限額:額面金額で3億円
  • 利払日:毎年6月20日及び12月20日(年2回)
  • 償還期限:令和13年6月20日
  • 償還金額:額面金額100円につき100円

購入時には、額面金額100円につき0.6931506円(115日分)の「初回の利子の調整額」を別途支払う必要があります。これは、利払日が6月20日・12月20日に固定されている一方で、発行日が10月13日と利払日の途中にあたるために生じる調整で、すでに発生している利子相当分を購入者があらかじめ負担するしくみです。なお、この調整額は満期まで保有した場合の実質的な利子を計算するうえでは差し引く必要があり、後掲の利子比較表では「実質利子」として反映しています。

2. 個人向け国債・新窓販国債、9月募集分の利率を比較

新窓販国債「5年」の発行条件が公表されたことで、個人向け国債と新窓販国債をあわせた6種類の利率が出そろいました。それぞれの利率を確認していきましょう。

2.1 個人向け国債は3種類とも金利が上昇

個人向け国債の9月募集分(変動10年:第198回、固定5年:第186回、固定3年:第196回)は、財務省が令和8年9月2日に発行条件を公表しています。変動10年の初回適用利率は年1.95%(税引後年1.5538575%)、固定5年は年2.24%(税引後年1.7849440%)、固定3年は年1.96%(税引後年1.5618260%)です。いずれも募集期間は令和8年9月3日から9月30日まで、発行日は令和8年10月15日で共通しています。

変動10年の適用利率は「基準金利×0.66(下限0.05%)」という計算式で半年ごとに見直されるため、今回の1.95%はあくまで初回分の利率です。今回の基準金利は、前営業日の10年固定利付国債の入札結果をもとに算出された年2.96%でした。

2.2 新窓販国債も2年・5年・10年の3種類がそろう

新窓販国債は、5年ものに続いて2年もの(第488回)と10年もの(第383回)の9月債も発行条件が公表済みです。2年ものは表面利率が年1.7%(税引後年1.354645%)、応募者利回りが年1.672%(税引後年1.327%)で、募集価格は額面金額100円につき100円05銭、発行日は令和8年10月9日です。10年ものは表面利率が年2.7%(税引後年2.151495%)、応募者利回りが年2.943%(税引後年2.385%)で、募集価格は額面金額100円につき98円16銭、発行日は同じく令和8年10月9日となっています。

2年ものと10年ものにも、5年ものと同様に発行日が利払日の途中にあたることによる「初回の利子の調整額」があり、額面金額100円につきそれぞれ0.1769863円(2年もの、38日分)、0.8210958円(10年もの、111日分)です。100万円分の購入であれば、2年もので1770円、10年もので8211円を、元本相当額とは別に購入時に支払うことになります。

ここまでの6種類の利率を一覧にまとめると、次のとおりです。

個人向け国債・新窓販国債 9月募集分の利率比較1/2

個人向け国債(変動10年1.95%・固定5年2.24%・固定3年1.96%)と新窓販国債(2年1.7%・5年2.2%・10年2.7%)の9月募集分の利率を棒グラフで比較した図

出所:財務省「個人向け国債の発行条件等」および新窓販国債各回の発行条件をもとにLIMO編集部作成

個人向け国債では固定5年の年2.24%が最も高く、変動10年(年1.95%、初回適用利率)を上回っています。新窓販国債では、期間が長くなるほど利率も高くなっており、10年ものの年2.7%が6種類のなかで最も高い利率です。

2.3 100万円分購入した場合の利子はいくら?(税引前・税引後)

それぞれの表面利率(変動10年のみ初回適用利率)をもとに、額面100万円分を満期まで保有した場合の利子の目安を、税引前・税引後で試算しました。変動10年は半年ごとに適用利率が見直されるため、ここでは初回の適用利率(年1.95%)が満期まで変わらなかったと仮定した参考値です。実際の受取額は、そのときどきの市場金利の動き次第で変わる点にご注意ください。また、新窓販国債は購入時に「初回の利子の調整額」を元本相当額とは別に支払うため、これを差し引いた実質的な利子もあわせて示しています。

100万円分を満期まで保有した場合の利子(税引前・税引後)2/2

個人向け国債(変動10年・固定5年・固定3年)と新窓販国債(2年・5年・10年)について、額面100万円分を満期保有した場合の利子を税引前・税引後で比較した表。固定5年は税引前11万2000円・税引後8万9247円、新窓販10年は税引前27万円・税引後21万5150円などを掲載。新窓販国債は購入時に支払う初回の利子の調整額を差し引いた実質利子も併記(新窓販10年は実質税引前26万1789円・実質税引後20万6939円)。変動10年は初回適用利率での試算である旨を注記

出所:財務省「個人向け国債の発行条件等」財務省「2年固定「令和8年9月債」」財務省「10年固定「令和8年9月債」」等をもとにLIMO編集部が試算

個人向け国債の固定5年は、100万円分を5年間保有すると税引前で11万2000円、税引後の手取りでは8万9247円の利子を受け取れる計算です。新窓販国債の10年ものは表面利率が最も高い年2.7%のため、税引前で27万円、税引後でも21万5150円と、6種類のなかで最も高い利子額になります。変動10年は初回の適用利率(年1.95%)が10年間続いたと仮定すると、税引前で19万5000円、税引後で15万5386円ですが、適用利率は半年ごとに見直されるため、実際の受取総額はこれより増える場合も減る場合もあります。

ただし、新窓販国債は購入時に「初回の利子の調整額」を元本相当額とは別に支払う必要があり、これを差し引いた実質的な利子で見ると、新窓販10年は税引前26万1789円・税引後20万6939円となります。個人向け国債にはこの調整額がないため、表面上の利子額がそのまま実質的な利子になります。

和田 直子

利率だけを見ると新窓販国債10年の高さが目を引きますが、期間が長くなるほど、その間の金利動向の影響を長く受け続けることにもなります。手元の資金をいつまで動かさずに置いておけるか、生活費や急な出費に充てる予定がないかを踏まえたうえで、期間を選ぶことが大切です。