遺族年金を受け取るようになったとき、この年金に税金がかかるのかどうかが気になる方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、遺族年金には所得税も住民税もかかりません。ただし、非課税だからといってあらゆる場面で収入として数えられないわけではありません。
この記事では、遺族年金の額をおさえたうえで、税金の扱いと、老齢年金との違いを確認していきましょう。
1. 遺族年金はいくらもらえる?令和8年度の金額目安と仕組み
遺族年金には、亡くなった方の働き方や加入していた年金制度によって、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。まずは、ご自身やご家族が受け取れる金額の目安を確認しておきましょう。
1.1 遺族基礎年金は年84万7300円に子の加算がつく
遺族基礎年金の額は、令和8年度で年84万7300円です。
ここに子の加算額が上乗せされ、1人目と2人目の子は各24万3800円、3人目以降の子は各8万1300円になります。
子が2人いる場合は年133万4900円です。
1.2 遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3で計算する
遺族厚生年金の額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3にあたる額です。
平成15年3月以前の加入期間は1000分の7.125、平成15年4月以後の加入期間は1000分の5.481という給付乗率で計算します。
亡くなった方の給与の水準と加入期間によって金額が決まる仕組みです。
2. 遺族年金に税金はかからない!老齢年金との違いと源泉徴収票
受け取る額がわかったところで、そこから税金が引かれるのかを確認します。
2.1 国税庁は「所得税も相続税も課税されない」としている
国税庁のタックスアンサーは、国民年金法や厚生年金保険法、恩給法などに基づく遺族年金について、所得税も相続税も課税されないと説明しています。
つまり、受け取った額がそのまま手元に残ります。
なお、確定給付企業年金法に基づく遺族年金などは扱いが分かれるので、公的年金以外の遺族年金を受け取っている方は別に確認が必要です。
2.2 公的年金等の源泉徴収票は届かない
日本年金機構は、障害年金や遺族年金は所得税および復興特別所得税の課税対象となっていないため、公的年金等の源泉徴収票は送付されないとしています。
源泉徴収票が届くのは、老齢または退職を支給事由とする年金を受けている方だけです。
遺族年金だけを受け取っている方の手元に源泉徴収票が来ないのは、書類の不備ではなく制度どおりということになります。
3. 遺族年金「社会保険の扶養」では収入としてカウントされる
同じ公的年金でも、支給の理由によって税金の扱いが変わります。並べて見てみましょう。
3.1 老齢年金は雑所得として課税される
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、所得税法上の雑所得として課税されます。
一定額以上を受け取る場合は源泉徴収の対象になり、公的年金等の源泉徴収票も届きます。
3.2 遺族年金と障害年金は非課税
これに対して、遺族基礎年金と遺族厚生年金、障害基礎年金と障害厚生年金は非課税です。
亡くなったこと、障害の状態にあることが支給の理由になっているためです。
老齢年金と遺族年金の両方を受け取っている場合は、老齢年金の分だけが課税の対象になります。
老齢年金は雑所得として課税されるが、遺族年金と障害年金は所得税も住民税もかからない1/2
出所:国税庁『No.1605 遺族の方に支給される公的年金等』と日本年金機構『公的年金等の源泉徴収票』を参考にLIMO編集部作成
非課税と聞くと、どの手続きでも収入に数えないと思いがちです。税と社会保険は別の物差しを使っているので、扶養が絡むときは金額を足して確かめておくと安心です。
