4. 申請の前に押さえておきたい注意点が3つある

支給が3段階に分かれている制度なので、手続きのタイミングに特徴があります。押さえておきたい点を整理します。

4.1 受講する前に窓口へ相談する必要がある

この制度も、ほかのひとり親家庭向けの給付金と同じく、受講する前に自治体の窓口へ相談し、対象講座の指定を受ける仕組みになっています。

講座を申し込んだあとで相談に行っても対象にならない場合があります。受ける講座を決める前に、まず窓口に行くという順番を守ることが大切です。

4.2 合格しなければ上限額には届かない

支給割合は、受講開始時が最大4割、受講修了時が最大5割、合格時に1割が加わって最大6割です。

つまり、講座を修了しただけでは費用の半分までしか戻りません。合計上限30万円という数字は、通学の講座を修了し、さらに高卒認定試験に合格した場合のものである点は押さえておきたいところです。

4.3 大学の授業料助成は親のみが対象になる

この事業には、高卒認定試験の給付金のほかに、ひとり親家庭の親を対象とした大学の授業料助成も含まれています。

こちらは対象がひとり親家庭の親に限られ、学士の学位を取得することが適職に就くために必要と認められることが要件です。児童は対象になりません。

5. 高卒認定試験は、その先の進路まで含めて考えたい

家計の相談では、資格を取ることが目的になってしまい、その先が決まっていないというケースを見かけます。

高卒認定試験は、高等学校を卒業した人と同等以上の学力があると認定する試験です。合格すれば大学・短期大学・専門学校の受験資格が得られ、就職の応募条件を満たせる場合もあります。

ただし、高等学校の卒業資格そのものではありません。応募したい求人が「高等学校卒業」を条件としている場合、高卒認定試験の合格で足りるかどうかは企業によって異なります。窓口で相談するときに、その先の進路まで含めて話しておくと判断しやすくなります。

6. まとめにかえて

ひとり親家庭学び直し支援事業は、高卒認定試験の合格を目指す講座の受講費用の一部を支給する制度です。

支給は受講開始時に最大4割、受講修了時に最大5割、合格時に1割が加わる3段階で、合計の上限額は通信制の講座で15万円、通学または併用の講座で30万円です。対象はひとり親家庭の親と児童の両方となります。

制度に頼りきりにするのではなく、合格したあとにどう働くかまで含めて考えておくことが欠かせません。そのうえで、この制度があることを知っておくと、学び直しに踏み出しやすくなります。

参考資料

和田 直子