就職や転職の場面で、高等学校を卒業していることが応募の条件になっている求人は少なくありません。
こども家庭庁は、ひとり親家庭の親や子どもが高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)の合格を目指すとき、講座の受講費用の一部を支給する「ひとり親家庭学び直し支援事業」を実施しています。合計の上限額は通学の講座で30万円です。
本記事では、ひとり親家庭学び直し支援事業の支給額と対象になる人、そして支給される3つの段階について解説していきます。
1. そもそも「ひとり親家庭学び直し支援事業」とは?旧・高卒認定試験合格支援事業
ひとり親家庭学び直し支援事業は、これまで「ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業」という名称で実施されてきた制度です。名称が変わり、大学の授業料助成も含む形になっています。
制度の骨格は次の4点です。
- 高卒認定試験の合格を目指す講座の受講費用の一部が支給される
- 支給は受講開始時・受講修了時・合格時の3段階に分かれる
- 対象になるのは、ひとり親家庭の親と児童の両方
- このほか、ひとり親家庭の親を対象とした大学の授業料助成もある
親の学び直しだけでなく、子どもが高等学校を中退したあとに高卒認定試験を目指す場合も対象になる点が、この制度の特徴です。
2. いくら支給されるか。3つの段階に分けて支給される
こども家庭庁の案内より、支給額を確認しましょう。受講する講座が通信制か、通学または併用かによって上限額が変わります。
2.1 受講開始時に最大4割が支給される
講座の受講を開始した時点で、受講費用の最大4割が支給されます。上限額は通信制の講座で10万円、通学または併用の講座で20万円です。
2.2 受講修了時に最大5割まで引き上げられる
講座を修了すると、支給割合が最大5割まで引き上げられます。受講開始時の分と合わせた上限額は、通信制で12万5000円、通学または併用で25万円です。
2.3 合格するとさらに1割が加算される
高卒認定試験に合格すると、さらに1割が加算されます。合計の上限額は通信制で15万円、通学または併用で30万円になります。
受講しただけ、修了しただけでは満額にならず、合格まで進んで初めて上限額に届く設計です。
3. 対象になるのはどんな人か
この事業には、世帯の状況と学び直しの必要性の両面から要件が置かれています。次の画像では、ひとり親家庭学び直し支援事業の主な対象要件を解説します。
3.1 ひとり親家庭の親または児童である
高卒認定試験に関する給付金は、ひとり親家庭の親と児童の両方が対象になります。親自身の学び直しにも、子どもの高卒認定試験にも使えます。
3.2 高卒認定試験の合格が適職に就くために必要と認められる
高卒認定試験に合格することが、適職に就くために必要だと認められることが要件です。すでに高等学校を卒業している人は対象になりません。
3.3 自立に向けた計画の策定等を受けている
母子・父子自立支援プログラムの策定等を受けていることも要件になります。まずは市区町村のひとり親家庭の相談窓口に行くことが、手続きの起点になります。
高等学校を中退したあと、進路が決まらないまま時間が過ぎてしまうケースは少なくありません。高卒認定試験に合格すれば大学や専門学校の受験資格が得られるので、親の学び直しとしてだけでなく、子どもの進路の選択肢を戻す制度としても知っておく価値があります。
