住宅ローンを返している途中で金利が上がると、返済額はどのくらい変わるのでしょうか。
国土交通省が2026年3月に公表した「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、個人向け住宅ローンの新規貸出のうち83.5%が変動金利型でした。金利タイプのなかで最も多い割合です。
この記事では、50歳代の住宅ローン残高を確認したうえで、金利が上がったときに毎月の返済額がいくら変わるのかを試算していきます。
1. 【住宅ローン】50歳代の残高は平均1117万円、中央値1000万円だった
まずは、どのくらいのローンが残っているのかを見ていきます。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査」2025年の二人以上世帯調査から確認します。
1.1 1000万円以上が残っている世帯が半数を占める
世帯主が50歳代の二人以上世帯の住宅ローン残高は、平均1117万円、中央値1000万円でした。
残高の分布は次のとおりです。
- 50万円未満:1.3%
- 50〜100万円未満:0.4%
- 100〜200万円未満:2.6%
- 200〜300万円未満:0.9%
- 300〜500万円未満:4.4%
- 500〜700万円未満:6.6%
- 700〜1000万円未満:8.8%
- 1000〜1500万円未満:16.7%
- 1500〜2000万円未満:12.7%
- 2000万円以上:20.2%
- 無回答(ゼロも含む):25.4%
1000万円以上が残っている世帯を合計すると49.6%です。50歳代でおよそ半数が、1000万円を超える残高を抱えていることになります。
1.2 母数は借入金額を回答した228世帯にかぎられる
この数字を読むときに気をつけたい点があります。母数は50歳代の世帯すべてではなく、借入金額を回答した228世帯です。
住宅ローンを組んでいない世帯は含まれていません。50歳代全体の平均残高ではない点を押さえておきたいところです。
2. 住宅ローンの新規貸出は83.5%が変動金利型だった
次に、どの金利タイプが選ばれているのかを確認します。国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査」は、民間金融機関1175機関を対象に毎年度実施されているものです。
2.1 金利タイプ別で変動金利型が最も多い
2026年3月に公表された調査結果によると、個人向け住宅ローンの新規貸出における金利タイプ別割合は、変動金利型が83.5%で最も高くなっています。
個人向け住宅ローンの新規貸出額そのものは、前年度より約2兆円増えて約22.2兆円でした。
2.2 前年度より0.8ポイント減った
変動金利型の83.5%は、前年度より0.8ポイント減った数字です。8割を超える水準は変わっていませんが、割合としては下がっています。
変動金利型は、借りたあとに適用される金利が変わるタイプです。借りている人の8割超がこのタイプを選んでいるため、金利が動いたときの影響を受ける世帯は少なくありません。
3. 住宅ローンの金利が1ポイント上がると毎月の返済額はいくら増えるか
では、金利が上がると返済額はどのくらい変わるのでしょうか。50歳代の中央値である残高1000万円をもとに計算してみます。
3.1 残高1000万円・残り15年で試算する
残高1000万円、残りの返済期間15年、元利均等返済でボーナス返済なしという条件で計算すると、毎月の返済額は次のようになります。
- 年0.5%:5万7676円
- 年1.0%:5万9849円
- 年1.5%:6万2074円
- 年2.0%:6万4350円
年0.5%から年1.5%になると、毎月の返済額は4397円増える計算です。
金利の水準ごとに毎月の返済額がどう変わるかを並べたもの2/3
出所:LIMO編集部作成
3.2 残り15年の合計では約79万円の差になる
毎月4397円の差は、1年では5万2774円になります。残りの返済期間15年で合計すると、約79万円の違いです。
なお、この試算は金利が最初から最後まで一定だった場合の単純計算です。実際の変動金利型では、適用される金利が途中で何度も変わります。
住宅ローンの返済は一般的に長期間にわたるものであり、毎月の支出において大きなウェイトを占めます。
「手元にあるお金をどう使うか?」は、この住宅ローン残高と完済年齢をしっかり確認した上で決めていく必要があります。
