3. 国民健康保険料は均等割と平等割が軽減される

5つのうち2つ目の基準を確認します。

3.1 7割軽減は基礎控除額43万円が基準

新潟市によると、令和8年度の国民健康保険料の軽減は、7割軽減が「基礎控除額(43万円)+10万円×(給与所得者等の数−1)で求められた基準額以下」の世帯です。

軽減されるのは均等割と平等割の一部です。所得に応じて計算される所得割ではなく、加入者数や世帯数で決まる部分が軽くなります。

3.2 5割は31万円、2割は57万円を被保険者数に掛けて足す

5割軽減は「基礎控除額(43万円)+31万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数−1)」以下、2割軽減は「基礎控除額(43万円)+57万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数−1)」以下です。

被保険者が多い世帯ほど基準額が上がりますので、同じ所得でも世帯構成によって軽減の割合が変わります。

3.3 住民税非課税とは別の基準で見る

この43万円は住民税の基礎控除額ですが、判定に使われるのは世帯の総所得等です。介護保険料のように「世帯全員が非課税かどうか」で決まるわけではありません。

住民税が非課税でも軽減の基準を超えることはありますし、逆もあります。制度ごとに確認する必要があるのはこのためです。

4. 国民年金保険料は全額免除で年金額が2分の1になる

3つ目は国民年金保険料です。

4.1 全額免除は(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円

日本年金機構によると、全額免除の所得基準は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」です。

一部免除の基準は別で、4分の3免除が「88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」、半額免除が「128万円+同」、4分の1免除が「168万円+同」となっています。

4.2 納付猶予は本人と配偶者だけで判定する

納付猶予の所得基準は全額免除と同じ式です。ただし見る相手が違います。免除は本人・世帯主・配偶者の所得で判定しますが、納付猶予は本人・配偶者のみで判定します。

親と同居していて世帯主の所得が高い場合、免除には通らなくても納付猶予なら通ることがあります。どちらを申請するかで結果が変わる場面です。

4.3 令和8年度の一部免除は4480円から1万3440円

一部免除の場合は減額された保険料を納めます。令和8年度は4分の3免除で4480円、半額免除で8960円、4分の1免除で1万3440円です。

全額免除なら納付は不要になります。

4.4 納付猶予は年金額に反映されない

年金額への反映は区分で違います。全額免除された期間は保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1、4分の3免除は8分の5、半額免除は8分の6、4分の1免除は8分の7です。

一方の納付猶予は、受給資格期間には入りますが年金額には反映されません。保険料を納めなくてよいという点は同じでも、将来の年金額への影響が違います。

5. 住民税非課税世帯の判定は世帯全員で見る

前提になる非課税世帯の考え方も押さえておきます。

5.1 所得割・均等割ともに非課税の方だけの世帯

多摩市は介護保険料のページで、市民税非課税とは所得割・均等割ともに市民税非課税であることを指すと注記しています。

同じ世帯に課税されている方が1人でもいれば、世帯として非課税にはなりません。介護保険料で第4段階や第5段階に入るのは、この判定から外れた場合です。

5.2 障害者・寡婦・ひとり親は合計所得135万円以下

東京都主税局によると、障害者・未成年者・寡婦またはひとり親で前年中の合計所得金額が135万円以下の方は、所得割も均等割もかかりません。給与所得者の場合は年収204万4000円未満です。

生活保護法による生活扶助を受けている方も、所得割も均等割もかかりません。

5.3 東京23区の限度額は扶養親族なしで45万円以下

所得が非課税限度額以下という区分もあります。東京23区の場合、扶養親族がいなければ合計所得金額45万円以下、いる場合は35万円×本人・配偶者・扶養親族の合計人数+31万円以下です。

この限度額は市区町村によって異なりますので、住んでいる地域の額を確認してください。

6. 確かめておきたい3つのこと

自分の場合に当てはめる手立てをまとめます。

6.1 世帯全員の課税状況と自分の所得を確認する

介護保険料の第1〜3段階に入るには世帯全員が住民税非課税である必要があります。そのうえで本人の年金収入等が82万6500円以下か、120万円以下か、120万円を超えるかで段階が分かれます。

世帯の課税状況と自分の所得の両方で決まりますので、どちらか片方だけ見ても段階は特定できません。就職や収入の変化があった年はとくに注意してください。

6.2 制度ごとに窓口が違う

国民健康保険料と介護保険料は市区町村、国民年金保険料は市区町村の国民年金担当窓口または年金事務所です。高等教育の修学支援新制度は学校や日本学生支援機構が窓口になります。

まとめて申し込める仕組みではありませんので、該当しそうな制度ごとに確認することになります。

6.3 自分の市区町村の額で確認する

介護保険料の基準額は市区町村が3年ごとに定めます。多摩市の年6万9800円は令和6年度から令和8年度までの額で、福岡市の令和8年度は年8万2784円でした。

基準額の段階で1万円以上の差がありますので、決定通知書か市区町村のページで確認してください。

7. 判定の基準は制度ごとに違う

住民税非課税世帯で負担が軽くなる制度は、国民健康保険料の軽減、介護保険料の減額、国民年金保険料の免除・納付猶予、幼児教育・保育の無償化、高等教育の修学支援新制度の5つです。

介護保険料は世帯全員が非課税であることが条件で、多摩市なら第1段階1万7400円から第3段階4万7800円です。世帯に課税者が1人いると第4段階以降になり、本人の年金収入等が120万円を超える方なら第5段階6万9800円で、年2万2000円上がります。

一方で国民健康保険料は世帯の総所得等が43万円を基準にした額以下か、国民年金保険料は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」以下かで判定されます。同じ言葉で説明される制度でも見る基準が違いますので、制度ごとに確認してください。

参考資料

中本 智恵