3. 子育て世帯が負担する大学費用の平均はいくらか

子育て世帯が負担する教育費のなかでも、大学の費用は大きな割合を占めます。文部科学省が2025年12月26日に公表した「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」から確認しましょう。

この調査でまとめられているのは、授業料と入学料、施設設備費の3つです。国立大学と公立大学の額は、同じ資料の参考2「国公私立大学の授業料等の推移」に載っています。

3.1 私立大学の初年度納付金は文科系121万2235円、理科系160万2053円だった

私立大学の学部について、令和7年度入学者の初年度納付金の平均額は次のとおりです。入学定員をもとに加重平均した金額です。

  • 文科系学部:121万2235円(授業料85万392円+入学料21万9951円+施設設備費14万1892円)
  • 理科系学部:160万2053円(授業料119万5313円+入学料24万5362円+施設設備費16万1378円)
  • 全平均:138万983円(授業料96万8069円+入学料24万365円+施設設備費17万2550円)

文科系と理科系では、初年度で39万円ほどの差があります。差の大きさは授業料の部分で、理科系は文科系より年34万4921円高い水準です。

3.2 国立大学の授業料は標準額の53万5800円で据え置きが続く

国立大学の授業料と入学料は、国が示す標準額です。参考2の表によると、授業料53万5800円は平成17年度から、入学料28万2000円は平成14年度から同じ額が続いています。

公立大学は平均額で、令和7年度の授業料が53万6520円、入学料が38万2806円でした。この入学料は地域外からの入学者の平均で、地域内からの入学者は22万4369円です。

一方、私立大学の授業料は上がってきています。同じ表では令和元年度の91万1716円から令和7年度の96万8069円まで、5万6353円の増加です。

大学の初年度納付金を授業料・入学料・施設設備費に分け、4年間の合計を並べた表2/2

国立・公立・私立文科系・私立理科系の初年度納付金を授業料と入学料と施設設備費に分けて示し、4年間の合計額を並べた表

出所:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」を参考にLIMO編集部作成

3.3 4年間の合計は国立242万5200円、私立理科系518万7992円になる

初年度納付金に授業料の3年分を加えて、4年間の合計を出してみましょう。私立の施設設備費は初年度の額のみを含めた計算です。

  • 国立:242万5200円
  • 公立:252万8886円
  • 私立文科系:376万3411円
  • 私立理科系:518万7992円

国立と私立理科系の差は276万2792円です。前段で見た純資産額741万円と並べると、私立理科系に4年間通わせるだけで純資産の7割が消える計算になります。

なお2年目以降も施設設備費を徴収する大学はあり、実験実習料や諸会費が別にかかる場合もあります。上記の合計は授業料と入学料、初年度の施設設備費だけを積み上げた金額なので、実際の負担は学校ごとに確かめる必要があります。

4. まとめにかえて

児童のいる世帯の平均所得金額は857万3000円で、全世帯の575万2000円を282万1000円上回ります。それでも生活が苦しいと答えた世帯は61.5%あり、全世帯の55.4%より高い水準でした。

年収800万円台の勤労者世帯では、貯蓄額1855万円に対して負債額が1114万円あり、純資産額は741万円です。負債の9割強は住宅・土地のための負債でした。

大学の費用は4年間で国立242万5200円、私立理科系518万7992円が目安になります。自宅から通えない場合は家賃や生活費が別にかかるため、進学先を考える段階で幅を持たせて見積もっておくと安心です。

奨学金や授業料等減免の制度には所得の要件があり、対象になるかどうかは世帯の状況で変わります。まずは日本学生支援機構の窓口や進学先の学生課で、自分の世帯が対象になるのかを確認するところから始めるとよいでしょう。

参考資料

太田 彩子