遺族年金は、受け取り始めたら一生続くというものではありません。
日本年金機構は、結婚や養子縁組など一定の事由に該当したときは年金を受ける権利がなくなるとしています。届出の期限は遺族厚生年金で10日以内です。
この記事では、どんなときに止まるのか、そして止まる額がいくらなのかを確認していきます。
1. 遺族年金は結婚や養子縁組で権利がなくなる
まず、妻が受け取っている場合から見ていきます。
1.1 本人が該当するのは3つ
日本年金機構によると、受給権者本人が亡くなったとき、結婚したとき、直系血族または直系姻族以外の方の養子となったときに、遺族年金を受ける権利がなくなります。
結婚には内縁関係も含まれます。籍を入れていなくても該当する場合があるということです。
1.2 直系血族や直系姻族の養子なら止まらない
養子縁組については例外があります。失権するのは「直系血族または直系姻族以外の方の養子となったとき」で、直系血族または直系姻族の養子になった場合は含まれません。
親や祖父母、配偶者の親などの養子になるケースは対象外という整理です。養子縁組と聞いて一律に止まると考える必要はありません。
1.3 30歳未満で子のない妻は5年で終わる
年齢による区切りもあります。夫が亡くなった当時30歳未満の「子のない妻」は、遺族厚生年金を受け取る権利を得てから5年を経過したときに失権します。
遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取っていた妻が、30歳に到達する前に遺族基礎年金の権利を失い、その日から5年を経過したときも同じです。いずれも平成19年4月1日以降に夫が亡くなった場合に限られます。
2. 止まるのは遺族基礎年金の年84万7300円から
次に、失権すると何がいくら止まるのかを確認します。
2.1 遺族基礎年金は年84万7300円
日本年金機構によると、令和8年4月分からの遺族基礎年金は、子のある配偶者が受け取るとき、昭和31年4月2日以後生まれの方が84万7300円、昭和31年4月1日以前生まれの方が84万4900円です。
失権するとこの額が止まります。子の加算額は1人目と2人目が各24万3800円、3人目以降が各8万1300円です。
2.2 子2人なら合わせて年133万4900円
昭和31年4月2日以後生まれの方で子が2人いる場合、基本額84万7300円に加算額48万7600円が加わって133万4900円になります。
結婚や養子縁組で失権すると、この全額が止まる計算です。
2.3 中高齢寡婦加算は年63万5500円
遺族厚生年金を受けている妻には、40歳から65歳になるまでの間に中高齢寡婦加算として年63万5500円が加算される場合があります。
失権すれば遺族厚生年金の本体とあわせてこの加算も止まります。額の大きさを考えると、届出の判断は先延ばしにしないほうが確かです。
再婚を考えるとき、年金がどうなるかは後回しになりがちです。止まる額を先に知っておくと、話し合いの材料になります。
