4. 【理由②】積立投資は「時間」を味方にできる

2つ目の理由は、積立投資が本来、短期的な値動きではなく長期的な時間軸を活かす投資法だということです。

4.1 長期投資は複利の効果を活かせる

金融庁も、長い期間投資を続けることで複利の効果が大きくなり、安定した収益の確保が期待できるとしています。複利とは、投資で得た収益を元本にプラスして運用することで得られる利益のことです。運用期間が長くなるほど、この複利の効果は積み重なっていきます。

4.2 短期の値動きに一喜一憂しても、長期の資産形成には影響しにくい

数か月単位の為替や株価の変動は、長期的な資産形成の観点から見れば、通過点の一つに過ぎないという考え方もできます。もちろん今後の値動きを保証するものではありませんが、短期的な変動のたびに積立を止めたり再開したりを繰り返すと、かえって長期投資のメリットを損なう可能性があります。

和田直子
短期的な為替や株価の変動は避けられませんが、積立投資は本来、数年から数十年単位の長い時間軸で資産を育てていく方法です。目先の値下がりに動揺して積立を止めてしまうと、複利の効果を十分に活かせなくなる恐れがあります。相場が動いた時こそ、当初決めた積立方針を続けられるかが問われます。

5. 積立投資は「ドルコスト平均法」が効く

3つ目の理由が、積立投資特有の買い方である「ドルコスト平均法」の効果です。

5.1 一定額を継続的に買うことで、高いときは少なく、安いときは多く買える

ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品に対して、一定の金額を、決まったタイミングで継続的に購入していく方法です。金融庁も、積立投資について「あらかじめ決まった金額」を「続けて」投資することで、安いときに買わなかったり、高いときにだけ買ってしまったりすることを避けられるとしています。価格が高いときには自動的に購入する口数が少なくなり、価格が安いときには購入する口数が多くなるため、平均の購入単価をならす効果が期待できます。

毎月1万円ずつ積み立てた場合の購入口数のイメージ3/3

毎月1万円ずつ積み立てた場合の購入口数のイメージ

出所:仮定の数値をもとに編集部作成

上の図のように、価格が下がった月ほど同じ1万円で購入できる口数は多くなり、価格が上がった月ほど購入できる口数は少なくなります。この例では、価格の単純平均が8667円であるのに対し、積立によって実際に取得した平均単価は約8231円と、単純平均よりも低く抑えられています。

5.2 相場が下がった局面は、口数を増やすチャンスにもなる

円高や株価の下落によって基準価額が下がっている局面は、見方を変えれば、同じ積立金額でより多くの口数を購入できるタイミングでもあります。値下がりを悲観して積立を止めてしまうと、この「口数を増やす機会」そのものを逃すことにもなりかねません。

和田直子
相場が下がっている局面は、同じ金額でより多くの口数を購入できるタイミングでもあります。積立を止めてしまうと、この「安く買えるチャンス」を逃すことにもなりかねません。もちろん今後の値動きを保証するものではありませんが、ドルコスト平均法の仕組みを理解しておくことで、目先の変動に振り回されにくくなります。
相場が下がっている局面は、同じ金額でより多くの口数を購入できるタイミングでもあります。積立を止めてしまうと、この「安く買えるチャンス」を逃すことにもなりかねません。もちろん今後の値動きを保証するものではありませんが、ドルコスト平均法の仕組みを理解しておくことで、目先の変動に振り回されにくくなります。

6. まとめ

2026年は年初来、ドル円相場が160円台と150円台前半の間で大きく変動する展開が続いています。急激な円高は、オルカンやS&P500に積立投資をしている人にとって不安要素の一つですが、資産クラスごとの値動きの違いや、積立投資が持つ時間分散・ドルコスト平均法の効果を踏まえると、相場が動くたびに積立を止める必要性は高くないと考えられます。

ただし、今後の値動きを誰も保証することはできません。積立投資はあくまで長期的な資産形成の手段の一つであり、無理のない金額で、当面の生活費や生活防衛資金を確保したうえで続けることが前提になります。相場の変動が気になるときは、積立を止めるかどうかを考える前に、積立額や資産配分が自分に合っているかを見直すきっかけとして活用するとよいでしょう。

【免責事項】

  • 本記事は、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。
  • 投資には元本を割り込むリスクがあります。投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において行われるようお願いいたします。

参考資料

和田 直子