3. 振り込まれる額は「額面」より少ない?天引きされるお金とは
2か月分の数字は、そのまま通帳に入る額ではありません。
3.1 介護保険料などが天引きされる「特別徴収」
一定額以上の年金を受け取っている場合、年金の支払額から以下の項目があらかじめ差し引かれます(これを特別徴収といいます)。
- 介護保険料
- 後期高齢者医療保険料 または 国民健康保険料(税)
- 所得税および復興特別所得税
- 個人住民税および森林環境税
これらを差し引いたあとの残りが「控除後振込額(手取り額)」として通帳に記載されます。保険料や住民税の額はお住まいの市区町村によって異なるため、額面が同じ年金額でも、手元に残る金額は人によって変わります。
3.2 10月の額は6月に届いた通知書に書かれている
日本年金機構は、年金振込通知書について、毎年6月に口座振込で年金を受け取っている方へ送付し、6月から翌年4月まで毎回支払われる金額を知らせるものとしています。
10月15日にいくら入るかは、6月に届いた通知書ですでに確認できます。ただし8月以降の額は予定額として6月の額が記載されているとされていますので、決定額は市区町村から送付される通知書で確かめてください。
4. 国民年金は年代が上がるほど下がる
厚生年金とは動きが違う点も見ておきます。
4.1 65歳から69歳の6万1240円が最も高い
国民年金の平均年金月額は65歳から69歳が6万1240円で、年代別では最も高くなっています。90歳以上は5万5633円です。
厚生年金が年代とともに上がっていくのに対し、国民年金は下がっていきます。
4.2 旧法の老齢年金を受け取っている方も含まれる
この表について、厚生労働省の年報には、旧法老齢年金の受給権者と新法老齢基礎年金の受給権者の合計であるという注記があります。
制度の異なる方が同じ表に入っていますので、年代ごとの差をひとつの理由で説明することはできません。いまの年代別の実額として見るのが確かです。
5. 厚生年金と国民年金の平均額は「単純な足し算」ができない
厚生年金と国民年金の数字を並べて見るときの注意点です。
5.1 厚生年金の額には老齢基礎年金が含まれる
厚生労働省の年報には、厚生年金の平均年金月額には老齢基礎年金月額を含むという注記があります。
厚生年金の15万1753円と国民年金の6万1240円を足すと21万円を超えますが、この足し算は成り立ちません。厚生年金の側にすでに基礎年金分が入っています。
5.2 国民年金の側にも厚生年金がある方が入っている
国民年金の表にも注記があります。老齢基礎年金受給権者には、被用者年金が上乗せされている者を含むとされています。
同じ年報には、老齢厚生年金の受給権を持たない方だけを取り出した再掲もあります。この「基礎のみ」で見ると全体の平均は5万6337円で、総数の5万9310円より2973円低くなります。65歳から69歳では6万656円です。
6. 確かめておきたい3つのこと
10月15日に向けて手元で確認できることをまとめます。
6.1 年金振込通知書で差引後の額を見る
通知書には支払額と控除額の両方が書かれています。2か月分の額面と、実際に振り込まれる額の差がそこで分かります。
6.2 2か月分で家計を組み立てる
年金は毎月入るものではありません。10月15日に入った分で11月までをまかなう形になりますので、月ごとに割って考えると計画が立てやすくなります。
6.3 振込先や住所の変更がないか確認する
口座を変えたり引っ越したりしたときは、届け出が必要になる場合があります。支給日の前に手元の通知書と口座を照らし合わせておくと安心です。
分からない点は、年金事務所や街角の年金相談センターで確認できます。
7. 10月15日は2か月分がまとめて振り込まれる
来月10月15日は年金の支給日で、8月分と9月分の2か月分が振り込まれます。2026年10月15日は木曜日ですので、前倒しはありません。
厚生年金の平均年金月額は65歳から69歳で15万1753円、2か月分では30万3506円です。国民年金は同じ年代で6万1240円、2か月分では12万2480円になります。
ただし、ここから介護保険料や税が差し引かれる場合があります。手元の年金振込通知書で、自分の場合の額を確かめておきましょう。
参考資料
村岸 理美