遺族厚生年金の見直しは、多くの人に影響が及ぶ話として受け止められがちです。ただ、厚生労働省は新たに対象になる人数を推計で示しています。
30歳代の女性は年間約250人、60歳未満の男性は年間約1万6000人です。桁がふたつ違います。
この記事では、この2つの数字が誰を指しているのか、そして同じ「新たに対象」でも男女で意味が逆になる点を確認していきます。
1. 「なぜ64倍の差?」30代女性約250人と60歳未満男性約1万6000人の背景
まず、厚生労働省が挙げている2つの数字から見ていきます。
1.1 30歳代の女性は年間約250人
厚生労働省によると、女性の場合、施行直後に原則5年間の有期給付の対象となるのは、18歳年度末までのこどもがいない、2028年度末時点で40歳未満の方です。新たに対象となる30歳代の女性は推計で年間約250人とされています。
年齢とこどもの有無で区切られているため、範囲はかなり狭くなります。
1.2 20歳代はすでに5年間の有期給付になっている
推計が30歳代に限られているのには理由があります。厚生労働省によると、20歳代の方は既に5年間の有期給付となっています。
子のない30歳未満の妻が5年間のみの受給になるのは、いまの制度でも同じです。見直しで新しく5年になるのは、その上の年代ということになります。
1.3 60歳未満の男性は年間約1万6000人
男性の数字はふた桁違います。厚生労働省は、男性の場合、新たに5年間の有期給付を受けられるようになるのは、18歳年度末までのこどもがいない60歳未満の方であり、対象者は推計で年間約1万6000人としています。
約250人と約1万6000人ですので、単純に並べると64倍の開きがあります。
2. 同じ「新たに対象」でも意味が真逆!男女で異なる2つの変化
次に、2つの数字が何を意味しているのかを確認します。
2.1 女性は受け取れる期間が変わる側
女性の約250人は、これまで期間の区切りなく受け取れた方が、原則5年間の有期給付に変わる人数です。厚生労働省は「施行直後に原則5年間の有期給付の対象となる」と書いています。
受け取れること自体は変わりませんが、期間の扱いが変わります。
2.2 男性は新しく受け取れるようになる側
男性の約1万6000人は、厚生労働省の表現では「新たに5年間の有期給付を受けられるようになる」人数です。これまで受け取れなかった年齢層が対象に入ります。
同じ「新たに対象」という言葉でも、女性と男性では向きが逆になります。人数だけを並べて比べる話ではありません。
人数が示されている資料は多くありません。自分が範囲に入るかどうかを見るときは、年齢とこどもの有無の2つで確かめると早いです。
