遺族厚生年金の見直しでは、5年で終わるという点が繰り返し取り上げられています。ただし、5年を過ぎても受け取り続けられる仕組みが用意されています。
厚生労働省は、5年間の有期給付の終了後も、障害状態にある方や収入が十分でない方は引き続き受給できるとしています。これが継続給付です。
この記事では、継続給付を全額受け取れる収入の目安と、収入が増えたときに年金額がどう調整されるのかを確認していきます。
1. 【遺族厚生年金】5年で一律打ち切りではない。どんな人が「継続給付」の対象者?
まず、継続給付の対象になる方から見ていきます。
1.1 障害状態にある方と収入が十分でない方
厚生労働省によると、5年間の有期給付の終了後も、障害状態にある方(障害年金受給権者)や、収入が十分でない方は、引き続き増額された遺族厚生年金を受給することができます。この仕組みが継続給付です。
5年で一律に打ち切られる制度ではなく、その時点の状況によって続く道が残されています。
1.2 単身なら就労収入が月額約10万円以下で全額支給
収入が十分でない方の目安も示されています。厚生労働省は、単身の場合は就労収入が月額約10万円(年間122万円)以下の方は継続給付が全額支給されるとしています。
月額10万円というのは、週に何日か働いて得る収入としては珍しくない水準です。5年を過ぎても、働き方によっては全額を受け取り続けられることになります。
1.3 受け取るのは増額された額
継続給付で受け取るのは、見直し前の額ではありません。厚生労働省は「引き続き増額された遺族厚生年金を受給することができます」としています。
有期給付の額は有期給付加算が上乗せされ、現在の遺族厚生年金の額の約1.3倍になるとされています。継続給付でも、この増額された水準が続く形です。
2. 【遺族厚生年金】継続給付と就労収入の関係
次に、収入が目安を超えた場合の扱いを確認します。
2.1 合計額が緩やかに増えるように調整される
厚生労働省によると、収入が増加するにつれて収入と年金の合計額が緩やかに増加するよう年金額が調整されるしくみとなります。
収入が122万円をわずかに超えたところで年金がゼロになる、という切り方ではありません。働いて収入を増やしたときに、手にする合計額が減らないよう組まれています。
2.2 概ね月額20万円から30万円を超えると全額支給停止
調整には上限があります。厚生労働省によると、概ね月額20万円から30万円を超えると、継続給付は全額支給停止します。
幅があるのは、遺族厚生年金の年金額によって停止する水準が変わるためです。もとの年金額が大きいほど、支給停止に至る収入の水準も高くなります。
5年で終わるかどうかは働き方によって変わります。制度の名前より、自分の収入がどのあたりに来るかを見ておくほうが役に立ちます。
