4. NHK受信契約は「自動解約」されない
亡くなった方の名義でNHKの受信契約を結んでいた場合、契約者が亡くなっただけでは契約は自動的に終了しません。手続きをしないままにしておくと、相続人に受信料の支払い義務が生じ続けてしまいます。
4.1 名義変更にするか、解約にするか
同居していた家族が引き続きテレビを使う場合は「名義変更」、テレビを処分するなどして誰も使わなくなる場合は「解約」の手続きを行います。どちらの場合も、NHKの解約手続き専用ダイヤル(フリーダイヤル 0120-222-000、または0120-151515)に連絡し、死亡がわかる書類などを提出します。
4.2 手続きを忘れると支払い義務が続く
解約の届け出が受理されると、受理された月の翌月以降の受信料が返金されます。連絡が遅れるほど返金の対象期間も短くなるため、他の手続きに追われがちな時期ではありますが、早めに済ませておくとよいでしょう。
5. デジタル遺産(サブスク・ネット銀行など)の見落としに注意
スマートフォンやパソコンの中には、家族が把握していない契約が数多く残っていることがあります。近年は高齢の方でもスマートフォンやインターネットサービスを利用する割合が増えており、こうした「デジタル遺産」への備えが誰にとっても他人事ではなくなっています。
5.1 サブスクリプションが解約できず、引き落としが続くケース
動画配信サービスや音楽アプリ、ネット銀行などのサブスクリプション契約は、解約手続きをしない限り、登録されたクレジットカードや口座から料金が引き落とされ続けます。国民生活センターには、スマートフォンの画面ロックを解除できずネット銀行の口座を確認できなかった事例や、セキュリティソフトのサブスク契約がID・パスワード不明のためすぐに解約できなかった事例が寄せられています。
見落としがちな「継続課金」2つの落とし穴(NHK受信契約・デジタル遺産)2/2
LIMO編集部作成
5.2 生前からの「デジタル終活」が家族を助ける
こうしたトラブルを防ぐには、生前のうちに、スマートフォンやパソコンのパスワード、契約しているサブスクリプションやネット銀行・ネット証券の一覧を家族が確認できるようにしておくことが有効です。エンディングノートを活用してリスト化しておけば、いざというときに家族が慌てずに済みます。
6. まとめ
年金を受け取っていた家族が亡くなったときは、未支給年金や遺族年金のように請求して受け取れるお金と、NHK受信契約やデジタル遺産のように解約しなければ支払いが続いてしまうお金の、両方に目を向ける必要があります。
未支給年金と死亡一時金は時効が異なり、埋葬料・埋葬費・葬祭費も時効の起算日がそれぞれ違います。焦って一度に片づけようとせず、期限の近いものから順にチェックリスト化して対応していくことをおすすめします。
参考資料
- 日本年金機構「亡くなった方の未支給年金を受け取れるとき(年金を受けている方が亡くなったとき)」
- 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
- 日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
- 日本年金機構「死亡一時金」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-」
- 総務省「令和6年通信利用動向調査の結果」
和田 直子
