5. 給付金が入るのは年金と同じ口座。手続きで詰まりやすい点

ここからは、年金の受取口座を見る立場から、給付金が実際にどう入るのかを補足します。

筆者は元銀行員で、窓口業務と預金を担当していました。年金や給付金の制度の相談は年金事務所の管轄ですので、ここで書くのは口座と通帳に表れる部分の話です。

5.1 支給は偶数月の15日。年金とは別の入金として通帳に並ぶ

日本年金機構は、年金生活者支援給付金は原則として年6回に分けて支払われ、偶数月の15日に年金と同じ受取口座へ、年金とは別途支払うと説明しています。

同じ日に同じ口座へ入りますが、通帳やインターネットバンキングの明細では2つの入金に分かれて記録されます。年金の額だけを見て少ないと感じたときは、同じ日付にもう1件の入金がないかを確かめると状況がはっきりすることがあります。

5.2 受取口座を変えるなら「年金受給権者 受取機関変更届」

給付金は年金と同じ口座に入りますので、口座を変えたい場合は年金側の手続きになります。日本年金機構は、年金を受け取る金融機関を変更するときは「年金受給権者 受取機関変更届」の届出が必要としています。

提出先は年金事務所または街角の年金相談センターです。届書には金融機関の証明欄がありますが、窓口に預金通帳を持参する場合や、金融機関名・支店名・口座番号・口座名義人フリガナが記載された部分の通帳のコピーを添付する場合は、金融機関の証明は必要ないとされています。

銀行員だった頃、この証明欄のために来店される方の応対をしたことがあります。通帳のコピーで足りるケースもありますので、先に必要書類を確かめておくと二度手間になりにくいでしょう。

なお成年後見人等が選任されている場合の手続きは別に定められています。日本年金機構は、財産管理が認められている成年後見人等が年金の振込先を管理口座に変更する場合、口座名義に年金受給権者の氏名が含まれている必要があるとしています。

5.3 フリガナが合っていないと振り込まれない

日本年金機構は、機構で管理する年金受給者記録のフリガナと口座名義人のフリガナが相違していると年金の振込ができないとしています。

氏が変わったあと、口座名義のフリガナだけが古いままになっていることがあります。預金の窓口にいた立場からいうと、ここは見落とされやすい部分でした。

また、年金は貯蓄預金口座では受け取れません。指定できる口座の種別にも決まりがあります。

5.4 公金受取口座を変えても、年金の受取口座は変わらない

日本年金機構は、公金受取口座の登録口座を変更したとしても年金の受取口座は変更されないと明記しています。年金の受取口座を変えたい場合は、あらためて受取機関変更届の届出が必要です。

2026年8月からは年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書が順次送られています。2つの口座を同じものだと考えてしまいやすい時期です。

手続きには時間がかかります。日本年金機構は、次の年金の支払日の1カ月以上前までに手続きをするよう案内しており、変更後は新しい受取機関への初めての入金を確認するまで旧口座をそのままにしておくよう呼びかけています。

6. まとめにかえて

公的年金の受給額には大きな個人差があり、平均だけではご自身の位置は分かりません。年金とその他の所得の合計が基準以下であれば、年金生活者支援給付金の対象になることがあります。

2026年度の老齢年金生活者支援給付金の基準額は月5620円で、前年度から3.2%引き上げられました。基準額どおりに受け取れる場合、1回の支給で約1万1000円が年金に上乗せされます。

ただし受け取るには請求手続きが必要です。すでに年金を受給している方で新たに対象となった場合は、毎年9月1日以降に請求書が順次送られてきます。

要件の当てはめや実際の見込額は、ご自身の所得や世帯の状況によって変わります。手元に届いた書類を確かめたうえで、年金事務所や給付金専用ダイヤルに相談してみてください。

参考資料

中本 智恵