国民年金の第1号被保険者が出産したときは、保険料が免除される仕組みがあります。

産前産後期間の免除制度です。単胎なら4か月間、多胎妊娠なら6か月間の保険料が免除されます。

日本年金機構によると、この免除期間は保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。年金額が減らない免除です。

この記事では、免除される期間と届出の方法を確認したうえで、2026年度の年金額と受給権者の平均月額を見ていきます。

1. 産前産後期間の保険料免除は、納付したものとして扱われる

国民年金の保険料は所得にかかわらず一律で、出産の前後も同じ額がかかります。

この負担について、平成31年(2019年)4月から産前産後期間の免除制度が始まりました。次世代育成支援の観点から設けられたもので、国民年金保険料を月額100円程度引き上げることにより被保険者全体で支えられています。

1.1 免除される期間は単胎で4か月、多胎で6か月

期間は妊娠の状況で分かれます。

単胎の場合は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間です。多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3か月前から6か月間になります。

ここでの出産とは妊娠85日、つまり4か月以上の出産を指します。死産や流産、早産をされた方も含まれます。

1.2 年金額は減らず、付加保険料も納められる

免除には年金額が目減りするものもありますが、この制度は違います。

産前産後期間の免除は、保険料が免除された期間も保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。

また、産前産後期間は付加保険料の納付ができます。免除を受けている期間は通常なら付加保険料を納められませんが、産前産後免除は例外です。

単胎なら4か月間、多胎妊娠なら6か月間。免除された期間も納付したものとして年金額に反映される1/4

国民年金保険料の産前産後期間の免除制度について、単胎と多胎妊娠それぞれの免除期間と対象になる方、届出時期を示した図

出所:日本年金機構「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」をもとにLIMO編集部作成

1.3 すでに免除を受けていても届出できる

ここは見落としやすい点です。

届出を行う期間について、すでに国民年金保険料免除・納付猶予や学生納付特例が承認されている場合でも、届出が可能とされています。

承認済みの免除は年金額への反映が一部にとどまりますが、産前産後免除に切り替われば納付済みとして扱われます。

届出は出産予定日の6か月前からでき、出産後も届出できます。届出先は住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口で、郵送や電子申請も可能です。出産後の届出は原則として添付書類が不要ですが、省略すると審査・認定まで1か月程度かかる場合があります。

なお対象になるのは国民年金第1号被保険者で、出産日が平成31年(2019年)2月1日以降の方です。国民年金の任意加入期間は対象になりません。

なお、公的年金の仕組みや2026年度の年金額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

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2. 2階建ての公的年金、その中身

公的年金の基本的な仕組みの内容は、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から引用して見ておきます。

公的年金制度は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。これは、日本の年金制度が「1階」の国民年金(基礎年金)と、「2階」の厚生年金という2つの制度で構成されているためです。1階部分の国民年金は、原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象で、保険料は所得にかかわらず一律(2026年度は月額1万7920円)。保険料を40年間(480カ月)すべて納付すると、満額(2026年度は月額7万608円)を受け取ることができます。2階部分の厚生年金は、会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所に勤務し一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入します。保険料は収入に応じて変動し、受給額は加入していた期間や納付した保険料額によって個人差が生じます。

出所:LIMO「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」