4. 元証券マンからのアドバイス|20年続けるために決めておくこと
筆者が積立投資についてよくお伝えしているのは、「無理に大きな金額から始める必要はない」ということです。
積立投資では、積立額の大きさだけでなく、相場が良いときも悪いときも続けられるかが重要になります。
4.1 家計に無理のない積立額を決める
月3万円を20年間積み立てれば、元本だけでも720万円になります。一方で、積立額を増やせば家計から出ていくお金も増えます。
収入が増えたからと積立額を一気に引き上げても、急な出費や収入減によって取り崩すことになれば、長期運用を続けにくくなるでしょう。
まずは生活費や当面の予備資金を確保し、そのうえで長く続けられる金額を設定することが大切です。
4.2 出口は50歳代から具体化する
積立を始めた時点で、20年後の生活費や年金額まで正確に予測するのは難しいでしょう。
ただし、老後が近づく50歳代になったら、取り崩し方を一度具体的に考えておきたいところです。
「何歳から使うのか」「公的年金で生活費のどこまで賄えるのか」「毎月いくら不足するのか」を整理すれば、積立資産から取り崩す金額も見えてきます。
筆者がこれまでお会いしてきたお客様の中には、退職金を受け取ってから初めて老後資金の使い方を考える方も多くいらっしゃいました。
選択肢を増やすという意味でも、退職直前ではなく少し早めに出口を考えておくことが大切です。
4.3 一度にすべて売却する必要はない
積立期間が20年に達したからといって、保有資産をすべて売却する必要はありません。
一方で、数年以内に使う予定があるお金まで値動きの大きな資産で運用し続けると、必要なときに相場が下落している可能性があります。
住宅の修繕や車の買い替えなど、近いうちに使う予定の資金は早めに現金へ移し、それ以外は必要に応じて運用を続ける方法もあります。
「いつ使うお金なのか」を基準に資産を分けて考えると、取り崩し期の相場変動にも対応しやすくなります。
5. まとめ
月3万円を20年間積み立てると、元本は720万円です。一定の利回りで運用できたと仮定した場合、20年後の資産額は年率3パーセントで約981万円、5パーセントで約1217万円、7パーセントで約1523万円となります。
新NISAを利用すれば、運用益に通常かかる約20パーセントの税金を抑えられる点も大きなメリットです。ただし、将来の運用利回りは確定しておらず、実際の資産額は相場の動きによって変わります。
また、積立投資は増やすことだけでなく、将来どう取り崩すかまで考えておくことが大切です。一定額ずつ現金で取り崩す方法のほか、資産の一部を運用しながら取り崩す方法や、残高に応じて定率で売却する方法もあります。
参考資料
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「よくある質問」(NISA特設ウェブサイト)
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」
- 国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」
加藤 聖人
