3. 金利の下限は年率0.05%で上限はない

算式の結果がどれだけ低くなっても、下限が設けられています。

3.1 下限が設けられた理由

財務省は、基準金利が低くなると適用利率がゼロパーセントやマイナスになるなど著しく低くなるケースが出てくるため、個人が安心して購入できるよう最低でも年率0.05%の金利は保証することとしていると説明しています。

この下限は変動10年・固定5年・固定3年の3タイプに共通です。

3.2 上限は設けられていない

一方で、すべての銘柄について金利に上限はないとされています。基準金利が上がれば、算式どおりに利率も上がります。

9月募集分では変動10年が1.95%、固定5年が2.24%、固定3年が1.96%でした。

4. 変動10年の金利設定方法は平成23年7月発行分から変わった

いまの掛け算方式になったのは、途中で見直しがあったためです。

4.1 かつては引き算方式だった

財務省によると、平成23年6月までに発行された変動10年の適用利率は「基準金利−0.80%」で計算されていました。

低金利時に適用利率が低くなりすぎないよう、平成23年7月発行分より金利設定方法を見直したとされています。

4.2 過去に発行された銘柄は変わらない

見直しの対象は発行時期で区切られています。過去に引き算方式で発行した銘柄については変更はないとされています。

なお財務省は、今後、金利情勢の変化等によって金利設定方法を見直すことはあり得るとしたうえで、現在のところ具体的な見直しの予定はないとしています。

5. 基準金利の決定月は回号ごとに1か月ずつずれる

変動10年は半年ごとに利率が変わるため、決定月が定められています。

5.1 第198回は3月と9月

9月に募集している変動10年の第198回は、基準金利の決定月が毎年3月および9月(年2回)です。

ひとつ前の第197回は毎年2月および8月でした。募集した月が1か月違うと、決定月も1か月ずれます。

5.2 利子計算期間も回号で異なる

財務省の資料によると、第198回の利子計算期間は令和8年10月16日から令和9年4月15日まで、第197回は令和8年9月16日から令和9年3月15日までです。

複数の回を持つと、利率が見直される時期もそれぞれ違うことになります。

6. 利率を確かめるときに知っておきたいこと

確認の方法を挙げておきます。

6.1 募集開始日の前営業日から公表される

財務省は、金利について、募集開始日の前営業日から財務省ホームページで知ることができるとしています。購入した取扱機関でも確認できるとされています。

申し込む前にその回の利率を確かめられる仕組みです。

6.2 利払日が銀行休業日なら翌営業日になる

利子の支払日についても定めがあります。財務省は、利払日が銀行休業日の場合はその翌営業日に支払われるとしています。

なお個人向け国債の利払日は、原則として毎年の発行月および発行月の半年後の15日です。9月募集分は発行日が令和8年10月15日ですので、利払日は4月15日と10月15日になります。

7. 基準金利は入札から計算され、0.66の掛け目には理由がある

変動10年の基準金利は、10年固定利付国債の入札における平均落札価格を基に計算される複利利回りです。固定5年と固定3年は、募集期間開始日の2営業日前における市場実勢利回りを基にした想定利回りが使われます。

変動10年に0.66を掛けるのは、10年固定利付国債を10年間保有した場合の金利収入とのバランスや中途換金などの商品性を勘案した結果とされています。固定5年の0.05%、固定3年の0.03%の差し引きも同じ考え方です。

金利の下限は年率0.05%で上限はありません。算式が公表されていますので、基準金利を確かめれば利率の決まり方をたどることができます。

参考資料

和田 直子