純金融資産1億円以上の世帯は165万3000世帯。保有資産の合計は469兆円にのぼります。

これだけの資産を配偶者に遺す段階では、相続税に大きな軽減があります。

配偶者が実際に取得した正味の遺産額が「1億6千万円」か「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか多い金額までは、配偶者に相続税はかかりません。

この記事では、配偶者の税額の軽減と、富裕層の定義と世帯数、新しいタイプの富裕層、世帯年収別の金融資産内訳について解説します。

1. 配偶者は1億6千万円まで相続税がかからない

資産を次の世代に渡す前に、配偶者に遺す段階での軽減があります。

国税庁によると、配偶者の税額の軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。

1つは1億6千万円、もう1つは配偶者の法定相続分相当額です。多いほうが適用されるため、法定相続分が1億6千万円を超える場合はその額まで軽減されます。

1.1 遺産分割が終わっていないと対象にならない

ここに落とし穴があります。

この配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。したがって、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。

ただし救済措置があります。相続税の申告書または更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付したうえで、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは、税額軽減の対象になります。

配偶者は1億6千万円まで相続税がかからない1/2

配偶者の税額の軽減で1億6千万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額まで相続税がかからないことと、遺産分割の要件を示した図

出所:国税庁タックスアンサー「No.4158 配偶者の税額の軽減」をもとにLIMO編集部作成

1.2 適用を受けるには申告が必要

黙っていて適用されるものではありません。

税額軽減の明細を記載した相続税の申告書または更正の請求書に、戸籍謄本等のほか遺言書の写しや遺産分割協議書の写しなど、配偶者の取得した財産が分かる書類を添えて提出します。遺産分割協議書の写しには、相続人全員の印鑑証明書も添付する必要があります。

相続税の申告後に行われた遺産分割に基づいて配偶者の税額軽減を受ける場合は、分割が成立した日の翌日から4か月以内に更正の請求という手続をすることになります。

なおこの制度の対象となる財産には、隠蔽または仮装されていた財産は含まれません。手続きの詳細は税務署や税理士に確認してみてください。

なお、富裕層の定義や年代別・年収別の資産データに関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【最新データ】日本の富裕層の割合は?年代別の平均貯蓄額と年収別データから見る資産形成の最適解
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資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】
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2. 純金融資産1億円以上の世帯は165万3000世帯、全体の約3%

富裕層の定義と割合の詳細は、LIMOの記事「資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】」から要点を引用して確認します。

株式会社野村総合研究所のレポートによると、富裕層は世帯の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満、超富裕層は5億円以上と定義されます。全体に占める割合は富裕層が約2.75%、超富裕層が約0.21%。2023年時点の世帯数は富裕層153万5000世帯、超富裕層11万8000世帯で、富裕層・超富裕層の世帯数は2005年以降で最多を更新しました。

出所:LIMO「資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】」