日本年金機構は9月1日から、新たに「年金生活者支援給付金」の対象となる方へ、請求書(はがき型)の発送を順次進めています。今回対象となった方が9月30日までに提出すれば、10月分から給付金を受け取ることができ、手続きがスムーズに進めば、実際の振り込みは12月の年金支給日からとなります。

提出期限をうっかり過ぎてしまった場合も、あきらめずすみやかに提出することが大切です。

令和9年1月4日までに日本年金機構に届けば、10月分にさかのぼって支給されますが、これを過ぎると請求書が到着した月の翌月分からの支給となってしまいます。つまり、10月・11月・12月分、そして提出が完了するまでの月分の給付金を、もらい損ねることになります。

この記事では、2026年度の「年金生活者支援給付金」の給付額や支給要件、請求手続きの流れを整理したうえで、年金収入だけで生活することの難しさや、現役時代からの備えの必要性についても考えていきます。

1. 2026年度の「年金生活者支援給付金」、給付額はいくら?

「年金生活者支援給付金」は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない場合に受け取れる給付金です。

老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に給付金が設けられており、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。また、給付額は公的年金と同様に、年度ごとに見直しがおこなわれます。

1.1 年金生活者支援給付金「2026年度の給付額」はいくら?

年金生活者支援給付金の支給金額1/9

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

2026年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年度より+3.2%引き上げが決定しており、6月支給分の「4・5月分給付金」から増額率が適用されます。

各給付金の2026年度月額は以下の通りです。

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5620円(※基準額)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円

なお、老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。

2. 「年金生活者支援給付金」の対象者は?老齢・障害・遺族の3種類

「老齢」「障害」「遺族」、3種類ある年金生活者支援給付金には、それぞれの支給要件が定められています。

一つひとつ整理していきましょう。

2.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は82万6500円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は82万4100円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で82万6500円を超え92万6500円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で82万4100円を超え92万4100円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

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老齢年金生活者支援給付金の支給要件を示す図。65歳以上の老齢基礎年金受給者、世帯全員が市町村民税非課税、所得基準額は昭和31年4月2日以後生まれで82万6500円以下、昭和31年4月1日以前生まれで82万4100円以下

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」をもとにLIMO編集部作成

2.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が491万8000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

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障害年金生活者支援給付金の支給要件を示す図。障害基礎年金の受給者で、前年の所得が491万8000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)。給付額は1級7025円、2級5620円

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」をもとにLIMO編集部作成

 

2.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が491万8000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

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遺族年金生活者支援給付金の支給要件を示す図。遺族基礎年金の受給者で、前年の所得が491万8000円以下(扶養親族等の数に応じて増額)。給付額は月額5620円(2人以上の子が受給する場合は子の数で分割)

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」をもとにLIMO編集部作成

いずれの年金生活者支援給付金も、前年の所得額が支給要件に関わっています。

なお、年金生活者支援給付金は、受給要件を満たしても自動では支給されません。受け取るためには、必ず「請求手続き」が必要です。

3. 「年金生活者支援給付金」の請求手続き、書類が届くパターンは2つ

年金生活者支援給付金の支給対象となった人には、日本年金機構からお知らせを兼ねた請求書が郵送されます。

請求書の送付時期や書類形式は、年金の受給状況により異なります。今回は該当する人が多い2つのパターンを見ていきましょう。

3.1 【パターン1】65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する人

  • 65歳になる3か月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封して送付
  • 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書と併せて年金事務所に提出

3.2 【パターン2】基礎年金を受給中で、新たに年金生活者支援給付金を受け取ることができる人

  • 毎年9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送される
  • 日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は電子申請を利用できます
  • 電子申請を利用しない場合は、必要事項を記載し、切手を貼ってポストに投函

なお、支給要件に当てはまるかどうかが確認できない人には「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」および「所得情報等を確認するための所得状況届」が届きます。

3.3 年金生活者支援給付金の支給日はいつ?

年金生活者支援給付金は、年6回に分けて、偶数月の15日に支払われます。なお、15日が土日または祝日のときは、その直前の金融機関の営業日に前倒しとなります。

年金の受取口座と同じ口座に、同日、年金とは別に振り込まれます。(通帳にはそれぞれ別の振込として記載されます)

各支払月には、原則、その前月までの2カ月分の年金生活者支援給付金が支払われます。例えば、10月に給付されるのは、8月分・9月分の給付金です。