2026年8月31日、厚生労働省が厚生年金保険・国民年金事業月報の令和8年4月分を公表しました。遺族給付を受けている方は589万2695人でした。

これだけの方が受け取っている一方で、遺族年金には「生計を維持されていた」という入口の条件があります。ここを満たしていなければ、順位が第1位でも受け取れません。

この記事では、公表された受給者数と、生計維持の2つの要件を確認していきます。

1. 遺族給付を受けている方は589万2695人だった

まず、公表された遺族給付の受給者数を確認します。

1.1 令和8年4月末時点の内訳

厚生労働省の厚生年金保険・国民年金事業月報によると、令和8年4月末現在の遺族給付の受給者数は589万2695人でした。

内訳は、厚生年金保険(第1号)の遺族年金が587万6692人、国民年金の遺族年金が7万6760人です。厚生年金保険の側が大半を占めています。

1.2 平均月額もあわせて示されている

同じ月報では平均月額も公表されています。厚生年金保険(第1号)の遺族年金は8万6780円、国民年金の遺族年金は9万1904円でした。

前年同月と比べると、それぞれ1083円と1753円増えています。

令和8年4月末時点で遺族給付を受けている方の数と平均月額です1/2

令和8年4月末時点で遺族給付を受けている方の数と平均月額です

出所:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業状況(事業月報)」をもとにLIMO編集部作成

2. 遺族年金の入口になる「生計維持」には2つの要件がある

次に、遺族年金を受け取るための前提となる生計維持の要件を見ていきます。

2.1 生計を同じくしていること

日本年金機構は、生計を維持されているとは、原則として2つの要件をいずれも満たす場合をいうとしています。

1つ目が、生計を同じくしていることです。同居している場合が基本ですが、別居していても仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。

2.2 収入要件を満たしていること

2つ目が収入要件です。前年の収入が850万円未満であること、または所得が655万5000円未満であることとされています。

収入と所得のどちらかで判定されますので、収入が850万円を超えていても所得が655万5000円未満なら要件を満たします。

2.3 2つをいずれも満たす必要がある

日本年金機構が示しているのは、この2つを原則としていずれも満たす場合という条件です。

どちらか一方だけでは足りません。生計を同じくしていても収入要件を超えている場合、あるいは収入要件を満たしていても生計を同じくしていない場合は、生計を維持されていたとは扱われないことになります。

3. 遺族基礎年金と遺族厚生年金では対象になる遺族の範囲が違う

生計維持を満たしたうえで、どの制度から受け取れるかを確認します。

3.1 遺族基礎年金は子のある配偶者と子だけ

日本年金機構によると、遺族基礎年金を受け取れるのは子のある配偶者と子です。父母や孫、祖父母は対象になりません。

ここでいう子とは、18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級か2級の状態にある方をさします。

3.2 遺族厚生年金は6つの区分に広がる

遺族厚生年金のほうは範囲が広く、子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母の6つの区分で優先順位が付きます。

ただし子のない夫、父母、祖父母は55歳以上である方に限られ、受給開始は60歳からです。同じ遺族年金という言葉でも、制度によって受け取れる方の範囲が違います。

生計維持は2つの要件をいずれも満たす場合をいいます2/2

生計維持は2つの要件をいずれも満たす場合をいいます

出所:日本年金機構「年金用語集 生計維持」をもとにLIMO編集部作成

熊谷 良子

共働きの世帯では収入要件が気になるところです。850万円は収入での基準で、所得なら655万5000円が基準になります。