4. 中高齢寡婦加算は40歳から65歳になるまで年額63万5500円
遺族厚生年金には、条件を満たす妻への加算があります。
4.1 加算される期間と金額
日本年金機構によると、一定の条件に該当する妻が受ける遺族厚生年金には、40歳から65歳になるまでの間、年額63万5500円が加算されます。これを中高齢寡婦加算といいます。
月あたりでは5万2958円ほどになります。遺族厚生年金の平均月額8万6780円と並べると、加算のある方とない方で受け取る額が大きく変わることが分かります。
4.2 対象になる妻の条件は2つ
対象になるのは、次のいずれかに該当する妻です。
- 夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻
- 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達したなどのため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき
ここでいう子は、18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級か2級の状態にある子に限られます。
4.3 夫の加入期間が20年以上という条件が付く場合がある
老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている夫が死亡したときは、条件が加わります。
この場合は、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上である場合に限られます。中高齢者の期間短縮の特例などによって20年未満の被保険者期間で受給資格期間を満たした方は、その期間となります。
5. 65歳になると経過的寡婦加算に切り替わる場合がある
中高齢寡婦加算は65歳で終わりますが、そのあとの加算もあります。
5.1 昭和31年4月1日以前生まれの妻が対象
中高齢の加算がされていた昭和31年4月1日以前生まれの遺族厚生年金の受給権者である妻が65歳に達したときは、経過的寡婦加算が加算されます。
また、昭和31年4月1日以前生まれの妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したときも対象になります。
5.2 額の決め方
経過的寡婦加算の額は、昭和61年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した場合の老齢基礎年金の額と合わせると、中高齢寡婦加算の額と同額程度となるよう決められています。
6. 平均額を自分の見込額と重ねる前に確認したいこと
月報の平均額は全国の受給者を集計した数値です。自分の場合を考えるときの見方を挙げておきます。
6.1 平均額には旧法の受給者も含まれている
月報の平均額は、新法と旧法の受給者を合わせた数値です。旧法の遺族年金の平均月額は9万1817円で、全体の8万6780円より高くなっています。
平均額は制度が変わる前から受け取っている方の数値も含んだ数字だという点は押さえておきたいところです。
6.2 加算があるかどうかで受取額は変わる
中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算があるかどうかで、実際に受け取る額は変わります。平均額はそれらを含んだ全体の数値です。
自分の場合にいくらになるかは、亡くなった方の年金記録によって決まります。年金事務所や街角の年金相談センターで確認できますので、請求の前に相談してみてください。
7. 遺族厚生年金の平均月額8万6780円は前年より1083円増えた
2026年8月31日に公表された厚生年金保険・国民年金事業月報の令和8年4月分では、厚生年金保険(第1号)の遺族年金の平均月額は8万6780円でした。前年同月の8万5697円から1083円増えています。
遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。加入期間が300月未満の場合は、一定の要件による遺族厚生年金では300月とみなして計算します。
条件を満たす妻には、40歳から65歳になるまで年額63万5500円の中高齢寡婦加算があります。平均額だけでなく、加算の有無もあわせて確認しておきましょう。