6歳未満の子どもがいる家庭で、妻の家事・育児時間は1日平均7時間28分。夫の約4倍です。

その両立のために時短勤務を選ぶと、給与が下がり、標準報酬月額も下がります。

ただし子どもが3歳に達するまでの期間なら、養育前の高い標準報酬月額で年金額を計算できる仕組みがあります。申し出が必要です。

この記事では、養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置と、厚生年金の受給額分布、第3号被保険者の推移について解説します。

1. 時短で給与が下がっても、年金額は下げずに済む

育児のために働き方を変えると、給与が下がることがあります。

日本年金機構によると、子どもが3歳に達するまでの養育期間中に標準報酬月額が低下した場合、養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないよう、その子どもを養育する前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組みがあります。

被保険者の申し出に基づき、より高い従前の標準報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなして年金額を計算するというものです。

1.1 対象になる期間と、従前の標準報酬月額の意味

どの期間が対象になるのかを押さえておきましょう。

対象となる期間は、3歳未満の子の養育開始月から養育する子の3歳誕生日のある月の前月までです。

従前の標準報酬月額とは、養育開始月の前月の標準報酬月額を指します。養育開始月の前月に厚生年金保険の被保険者でない場合は、その月前1年以内の直近の被保険者であった月の標準報酬月額が従前の報酬月額とみなされます。その月前1年以内に被保険者期間がない場合は、みなし措置は受けられません。

時短で給与が下がっても、年金額は下げずに済む1/4

養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置で養育前の高い標準報酬月額を使って年金額を計算できることと、対象期間や申出書の要件を示した図

出所:日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」をもとにLIMO編集部作成

1.2 申し出をしなければ適用されない

この仕組みには手続きが必要です。

3歳未満の子を養育する被保険者または被保険者であった方で、養育期間中の各月の標準報酬月額が養育開始月の前月の標準報酬月額を下回る場合、被保険者が「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を事業主を経由して提出します。

申出日よりも前の期間については、申出日の前月までの2年間についてみなし措置が認められるとされています。つまり気づくのが遅れると、2年より前の期間は対象から外れることになります。

なお被保険者であった方、つまり退職者が提出する場合は、本人から直接提出することができます。手続きは勤務先を経由するため、担当部署に確認してみてください。

なお、2026年度の年金額や平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説
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【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
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2. 厚生年金の平均は月15万289円。30万円超えは0.12%だけ

厚生年金のリアルな受給額のデータは、LIMOの記事「【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説」から引用して確認します。

夫婦2人分の標準的な年金額は月額23万7279円となりますが、実際には1人で月30万円以上を受け取る人もいます。厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円。受給額ごとの受給権者数をみると、月30万円以上を受け取っている人はごく一部にとどまります。

出所:LIMO「【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説」