65歳以上の無職世帯が持つ貯蓄は、平均で2494万円あります。
この額をどう使い、どう次の世代に渡すのかを考える段階で出てくるのが贈与税です。
暦年課税なら、1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下であれば贈与税はかからず、申告も不要とされています。
この記事では、贈与税の基礎控除110万円と、65歳以上世帯の平均貯蓄額、2026年度の年金額、公的年金の平均月額について解説します。
1. 贈与税がかからないのは、1年間で110万円以下まで
貯めたお金を子や孫に渡すときには、贈与税という論点が出てきます。
国税庁によると、贈与税は個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金です。課税方法には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択できます。
暦年課税では、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対して贈与税がかかります。
1.1 110万円以下なら申告もいらない
この基礎控除の範囲におさまるかどうかが、まず分かれ目になります。
1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかからず、この場合は贈与税の申告も不要とされています。
逆に110万円を超える場合は、贈与を受けた人が財産を取得した年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告と納税をする必要があります。
1.2 保険金を受け取ったときも贈与税がかかることがある
財産をもらった覚えがなくても、対象になる場面があります。
自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合や、債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたものとみなされて贈与税がかかると案内されています。
ただし、死亡した人が自身を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税ではなく相続税がかかります。同じ保険金でも誰が保険料を負担していたかで税目が変わるということです。
なお、法人から贈与により財産を取得したときは、贈与税ではなく所得税がかかります。判断に迷う場合は、税務署の相談窓口で確認してみてください。
なお、65歳以上世帯の貯蓄額や家計収支に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
2. 無職世帯の平均貯蓄額は、6年ぶりに減った
65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額を見るために、LIMOの記事「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」の要点を引用します。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)における平均貯蓄額は2494万円です。この平均貯蓄額は、2024年の2560万円から66万円(▲2.6%)減少し、6年ぶりにマイナスに転じました。内訳をみると、最も割合が大きいのは「定期性預貯金」で778万円、次いで「通貨性預貯金」が766万円、「有価証券」が510万円、「生命保険など」が426万円、「金融機関外」が13万円と続きます。
出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」
3. 65歳以上世帯全体で見た貯蓄額と、その散らばり
有職世帯を含めた65歳以上世帯の貯蓄額も含めて、LIMOの記事「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」の要点を引用します。
有職世帯も含めた65歳以上の二人以上世帯では、平均貯蓄額は2564万円です。しかし、より実態に近いとされる中央値(貯蓄ゼロ世帯を除く)は1777万円となり、平均値と約790万円もの開きがあります。貯蓄額の分布をみると、2500万円以上の貯蓄を持つ世帯が全体の36.3%を占める一方で、300万円未満の世帯も14.9%存在します。一部の貯蓄額が非常に多い世帯が、全体の平均値を押し上げている構造が分かります。
出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」
4. 毎月の収支は、いくらのマイナスになっているのか
65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支を見るために、LIMOの記事「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」の要点を引用します。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、実収入の合計が25万4395円(うち公的年金などの社会保障給付が22万8614円)、支出は消費支出26万3979円と非消費支出3万2850円を合わせて29万6829円。単純計算で毎月約4万2000円が不足し、この収支差が続くと1年間で約50万円、10年間で約500万円の不足となります。
出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」


