3. 2026年度は国民年金1.9%、厚生年金2.0%の引き上げ

年金額は現役時代の加入状況によって一人ひとり違い、さらに物価や現役世代の賃金の動きに合わせて毎年改定されます。

2026年度は国民年金(基礎年金)が前年度より1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引き上げです。日本年金機構が公表している額は次のとおりです。

3.1 公表されている国民年金・厚生年金の額

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):7万608円(+1300円)
  • 厚生年金(夫婦2人分):23万7279円(+4495円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

国民年金は保険料が全員一律です。会社員や公務員などが加入する厚生年金は収入に応じて保険料が変わるため、受け取る額の差も大きくなります。

4. 加入の歩み方で年金額はどこまで変わるのか

自分の場合はどのくらいになるのか、見当をつけたい人もいるでしょう。

厚生労働省は年金改定の公表に合わせて、多様なライフコースに応じた年金額例も出しています。

男性2つ、女性3つの計5つに加入経歴を分けて、「2026年度に65歳になる人」を想定した概算が示されています。

多様なライフコースに応じた年金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

4.1 男性・厚生年金の期間が長いケース

月額17万6793円の内訳

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
  • 基礎年金:6万9951円
  • 厚生年金:10万6842円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

4.2 男性・国民年金(第1号被保険者)の期間が長いケース

月額6万3513円の内訳

  • 平均厚生年金期間:7.6年
  • 平均収入:36万4000円
  • 基礎年金:4万8896円
  • 厚生年金:1万4617円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

4.3 女性・厚生年金の期間が長いケース

月額13万4640円の内訳

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 基礎年金:7万1881円
  • 厚生年金:6万2759円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

4.4 女性・国民年金(第1号被保険者)の期間が長いケース

月額6万1771円の内訳

  • 平均厚生年金期間:6.5年
  • 平均収入:25万1000円
  • 基礎年金:5万3119円
  • 厚生年金:8652円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

4.5 女性・国民年金(第3号被保険者)の期間が長いケース

月額7万8249円の内訳

  • 平均厚生年金期間:6.7年
  • 平均収入:26万3000円
  • 基礎年金:6万9016円
  • 厚生年金:9234円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説

5つを見比べると、厚生年金に長く加入し収入も高かった人ほど、受け取る額が多くなっています。

国民年金の期間が長かったか、厚生年金の期間が長かったかで、水準がはっきり分かれるということです。

いまの働き方と収入は、将来受け取る年金額にそのままつながっています。

5. 手取りベースで老後の収入を見ておく

ここまで、預貯金の利子にかかる税金と非課税の制度、65歳以上・単身無職世帯の家計収支、2026年度の年金額例を見てきました。

預貯金の利子は利子所得にあたり、支払を受ける際に15.315パーセント(他に地方税5パーセント)が源泉徴収されて納税が完結します。源泉分離課税の対象なので、原則として確定申告はできません。

一方で非課税の制度もあります。障害者等のマル優と特別マル優はそれぞれ元本350万円まで、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は両方の元本の合計が550万円までの利子等が非課税です。

家計のほうを見ると、65歳以上・単身無職世帯は月2万9980円のマイナスでした。介護費用が含まれていない数字である点は押さえておきたいところです。

2026年度の年金額は国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の引き上げですが、受け取る額は加入の歩み方によって変わります。

非課税制度を使えるかどうかには要件があります。詳しくは取引金融機関や税務署の相談窓口へ、年金の見込額はねんきん定期便やねんきんネットで確認してみてください。

参考資料

LIMO編集部家計解説班