3. 生活保護の医療・介護扶助は項目が細かく決められている
医療と介護は、条文の書き方も詳しくなっています。
3.1 医療扶助は診察から移送まで6項目
第15条の医療扶助は、診察、薬剤または治療材料、医学的処置・手術及びその他の治療並びに施術、居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、病院または診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護、移送の6つです。
3.2 介護扶助は要介護と要支援で範囲が分かれる
第15条の2の介護扶助は、居宅介護、福祉用具、住宅改修、施設介護、介護予防、介護予防福祉用具、介護予防住宅改修、介護予防・日常生活支援、移送の9項目が挙げられています。
ただし全員に9項目すべてが適用されるわけではありません。要介護者には第1号から第4号までと第9号、要支援者には第5号から第9号までというように、範囲が分けられています。
4. 生活保護の生業扶助だけ対象の書き方が違う
8つのうち1つだけ、条文の入り方が異なります。
4.1 「そのおそれのある者」も含まれる
ほかの扶助はいずれも「困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して」と書き出されています。
第17条の生業扶助だけは「困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者又はそのおそれのある者に対して」となっています。まだ困窮していなくても対象になりうるということです。
4.2 見込みがある場合に限るという条件も付く
その代わり、但し書きが付いています。これによつて、その者の収入を増加させ、または自立を助長することのできる見込のある場合に限るとされています。
第1条の目的にある「自立を助長する」という考え方が、この扶助にはっきり表れています。
5. 生活保護の扶助の範囲を読むときに気をつけたいこと
一次資料に当たる立場から、見方を挙げておきます。
5.1 葬祭扶助には申請できる人の定めがある
第18条第2項では、被保護者が死亡した場合においてその者の葬祭を行う扶養義務者がないとき、または死者に葬祭を行う扶養義務者がない場合において遺留した金品で費用を満たすことのできないときに、葬祭を行う者に対して葬祭扶助を行うことができるとされています。
亡くなった方が被保護者でなかった場合についても、条文に書かれています。
5.2 金額は条文には書かれていない
ここで見ているのは範囲であって、いくら支給されるかではありません。金額は厚生労働大臣の定める基準によって決まります。
実際の額は世帯の状況によって変わりますので、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当で確認してください。
6. 生活保護の8つの扶助は条文で範囲が決まっている
生活保護法第11条は、生活・教育・住宅・医療・介護・出産・生業・葬祭の8つの扶助を定め、要保護者の必要に応じて単給または併給で行われるとしています。
第12条から第18条に、扶助ごとの範囲が列挙されています。葬祭扶助であれば検案、死体の運搬、火葬または埋葬、納骨その他葬祭のために必要なものです。
生業扶助だけは「そのおそれのある者」も対象に含み、収入の増加や自立の助長が見込める場合に限るという条件が付いています。