3. 住民税は前年の所得で判定される
ラインの数字を自分に当てはめるとき、時点のずれに注意が必要です。
3.1 令和9年度分は令和8年中の収入が対象
個人住民税は、前年の所得をもとにその年度の税額が決まる仕組みです。令和9年度分の個人住民税であれば、令和8年中の収入が判定の対象になります。
今回の引き上げが反映されるのも、この令和8年中の収入からです。改正が公表された時点の収入がすぐに判定に反映されるわけではありません。
3.2 対象になるのは給与所得控除が適用される収入
今回動くのは給与所得控除の最低保障額です。したがって、非課税ラインが110万円から119万円に上がるのは、給与収入で判定される単身者のケースということになります。
年金収入だけの方や、事業所得の方は、給与所得控除ではなく別の控除で所得を計算します。自分がどの計算になるのかを先に確かめてください。
4. 非課税かどうかは市区町村が判定する
最後に、確かめ方を整理しておきます。
4.1 非課税限度額には地方税独自の基準がある
総務省の資料には、非課税ラインについて「地方税独自の非課税限度額が適用」と注記されています。所得税の基準とそのまま同じではありません。
また住民税には所得割と均等割があり、扶養している家族の人数によっても判定の額が変わります。世帯の状況で結果が変わる部分です。
4.2 自分の判定は住んでいる市区町村で確かめる
実際に非課税になるかどうかは、住んでいる市区町村が前年の所得をもとに判定します。今回の改正がどう反映されるかを含め、判断に迷ったら市区町村の住民税の担当窓口に問い合わせてみてください。
住民税が非課税になる世帯は、各種の給付や負担軽減の対象になることがあります。ラインの近くにいる方は、収入の見込みとあわせて確かめておくと安心です。
5. まとめにかえて
令和8年度地方税制改正では、個人住民税の給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられます。単身者の非課税ラインは、基本額等45万円と合わせて110万円から119万円になります。
適用は令和9年度分の個人住民税からで、判定の対象は令和8年中の収入です。引上げ額9万円のうち5万円は2年間の時限措置とされています。
一方、非課税限度額や基礎控除等の見直しについては「必要な対応を検討する」とされており、まだ決まっていません。確定した部分と検討中の部分を分けて読んだうえで、自分の判定は市区町村の窓口で確かめましょう。
参考資料
中本 智恵