9月は、年金生活者支援給付金の請求書が届く月です。すでに基礎年金を受け取っている人のうち、新たに対象となった人には緑色の封筒ではがき型の請求書が送られます。

その手続きに関わる発表が、日本年金機構から出ています。「各地方公共団体のシステム更改等に伴う年金請求書等の審査への影響について」という案内で、年金請求書等の審査に必要な住民票情報・所得情報の確認に時間を要する場合があるという内容です。

書類を出したあと、どれくらいで結果が来るのかは気になるところでしょう。

この記事では、公表された内容と、年金生活者支援給付金の支給要件・給付額・請求手続きについて解説します。

なお、年金生活者支援給付金の制度内容に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

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1. 年金請求書等の審査に、通常より1〜2週間かかる場合がある

まず、日本年金機構が公表した内容を確かめておきましょう。

各地方公共団体において順次行われるシステム更改等にともない、年金請求書等の審査に必要な住民票情報・所得情報の確認に時間を要する場合があるとされています。その場合、処理期間について通常より1〜2週間程度要することが考えられると案内されています。

1.1 確認に時間を要するのは住民票情報と所得情報

挙げられているのは2種類の情報です。

1つが住民票情報、もう1つが所得情報です。いずれも日本年金機構が単独で持っている情報ではなく、市区町村から取得するものにあたります。

なお公表文は「時間を要する場合があり」という書き方で、全件が遅れるとはされていません。システム更改が順次行われる性質上、時期や住所地によって状況は変わります。

住民票情報・所得情報の確認に時間を要する場合、処理期間は通常より1〜2週間程度1/3

日本年金機構が公表した内容として、確認に時間を要する住民票情報・所得情報と、処理期間が通常より1〜2週間程度要する見通しを示した図

出所:日本年金機構「各地方公共団体のシステム更改等に伴う年金請求書等の審査への影響について」をもとにLIMO編集部作成

1.2 給付金の判定にも同じ情報が使われる

では、年金生活者支援給付金はこの2つの情報とどう関わっているのでしょうか。

老齢年金生活者支援給付金の支給要件は3つあり、そのうち1つ目は日本年金機構が持つ年金の記録で判定できます。一方、残る2つは市区町村の住民票情報・所得情報が必要になります。

ただし公表文が示しているのは「年金請求書等」という範囲で、給付金の請求書が含まれるかどうかは明記されていません。判定に同じ情報を使う制度である以上、影響を受ける可能性はありますが、断定できる書き方にはなっていません。

2. 年金生活者支援給付金は3種類。年金に上乗せされるお金

ここからは制度そのものを確認していきます。

「年金生活者支援給付金」は、基礎年金の受給者が一定の所得要件などを満たす場合、年金額に上乗せして受け取ることができる給付金です。

受け取っている年金の種類に応じて、それぞれの給付金が用意されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

すでに基礎年金を受給中の人が、所得が下がったことなどにより新たに「年金生活者支援給付金」の対象となった場合、例年9月の第1営業日以降順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が緑色の封筒で届きます。

※老齢年金を繰上げ受給中の人は、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)、または65歳を迎える誕生月の初め頃に届きます。

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金」

はがき型の請求書が届いた場合は、電子申請による提出も選べます。

スマートフォンまたはパソコンとマイナンバーカードを使って電子申請で提出した場合、郵送での提出は不要になります。

3. 老齢年金生活者支援給付金、対象になるのはどんな人?

3種類ある年金生活者支援給付金のうち、高齢者世帯の暮らしと関わりが深いのが「老齢年金生活者支援給付金」です。ここからはこの給付金にしぼって見ていきます。

3.1 満たすべき3つの要件

老齢年金生活者支援給付金【支給要件】2/3

年金生活者支援給付金制度について

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

次の3つをすべて満たす場合に、老齢年金生活者支援給付金の支給対象になります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が、令和8年9月分までは80万9,000円以下令和8年10月分からは82万6,500円以下(昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6,700円以下/82万4,100円以下)である

なお、この判定に障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。遺族年金があるから対象外だろうと考えて請求を見送ると、受け取れたはずの給付金を取りこぼす可能性があります。

※昭和31年4月2日以後に生まれた方で、令和8年9月分までは「80万9,000円を超え90万9,000円以下」、令和8年10月分からは「82万6,500円を超え92万6,500円以下」である方。また、昭和31年4月1日以前に生まれた方で、令和8年9月分までは「80万6,700円を超え90万6,700円以下」、令和8年10月分からは「82万4,100円を超え92万4,100円以下」である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

4. 老齢年金生活者支援給付金、令和8年度の基準額は月5620円

給付額は毎年度見直されます。

年金生活者支援給付金の金額は、物価変動率を踏まえ年度ごとに改定されるルールになっています。これにより、2026年度分については前年度から「+3.2%」となりました。

年金生活者支援給付金の支給金額3/3

年金生活者支援給付金の支給金額

出所: 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

令和8年度の給付基準額は月額5620円

実際の給付額は、月額5620円を基準額(2026年度)として、保険料納付済期間等に応じて決まります。全員が5620円を受け取るわけではありません。

4.1 支給日は偶数月の15日、年6回

受け取り方は年金と同じ形です。

「年金生活者支援給付金」は、年金と同じく年6回、偶数月の15日に支払われます(※15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日に前倒し)

年金とは別に、同じ口座に同じ日に振り込まれるため、通帳には2つの振込記録が並びます。

原則として、各支払月にはその前月までの2カ月分がまとめて支払われます。10月には8月・9月分、12月には10月・11月分といった形です。