「給付付き税額控除」という言葉を、ニュースで目にする機会が増えました。

2026年8月5日、政府はこの制度を導入するための基本方針を閣議決定しました。ただし決まったのは基本方針までで、給付の対象や金額はこれから固まります。

筆者は銀行の窓口で個人のお客さまの相談を受けてきました。この記事では、いまの時点で決まっていることと、まだ決まっていないことを分けて確認していきます。

中本 智恵
制度が動いている時期は、決まったことと検討中のことが同じ記事のなかに並びます。窓口でも、報道で見た数字をそのまま前提にされている方は少なくありませんでした。まずはどこまでが確定なのかを分けて見ていきましょう。

なお、給付付き税額控除の制度の全体像は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。

【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール
【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール

1. 給付付き税額控除とはどのような制度か

まず、制度の基本の形を押さえておきます。

1.1 税額控除と給付を組み合わせる

名前のとおり、税金を差し引く仕組みと、現金を配る仕組みを組み合わせたものです。この点について、LIMOの記事「【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール」から要点を引用しておきます。

給付付き税額控除とは、簡単に言えば「税金を安くする(税額控除)」ことと「現金を配る(給付)」ことをセットにした制度です。

出所:【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール

納める税金が少ない世帯では、控除だけでは支援が行き渡りません。控除しきれない分を給付で補うという考え方です。

1.2 いま決まっているのは基本方針まで

首相官邸によると、制度導入の基本方針が閣議決定されたのは2026年8月5日(令和8年8月5日)です。今後は「9月には大綱を決定した上で臨時国会に法律案を提出」するとされています。

法律はまだ成立していません。制度の詳細設計はこれから進む段階です。

中本 智恵
閣議決定と法律の成立は別のものです。閣議決定は政府としての方針を決めた段階で、実際に制度を動かすには国会での成立が必要になります。ニュースで「決まった」と表現されていても、どちらの段階を指しているのかは確かめておきたいところです。

2. 飲食料品の消費税率は令和9年4月から1%になる

本格的な給付が始まるまでの、つなぎの措置も示されています。

2.1 2年間の時限措置として実施する

首相官邸の会見によると、飲食料品の消費税率は「令和9年4月より2年間先行させる」形で1%に引き下げられます。その後、令和11年4月からの本格導入にあわせて8%に戻す方針です。

つまり1%は恒久的なものではなく、期間の決まった措置ということになります。

2.2 0%ではなく1%とする理由

なぜ0%にしないのかについても説明されています。「1%であれば0%とするよりも事業者のシステム改修の期間を短縮でき」るためです。

レジや会計システムの改修が間に合うかどうかという、実務上の事情が理由になっています。

令和9年から令和11年にかけて、段階的に切り替わる予定です/0

給付付き税額控除をめぐる予定 基本方針は閣議決定済み。法律案はこれから 令和8年8月5日 制度導入の基本方針を閣議決定 令和8年9月 大綱を決定し、臨時国会に法律案を提出する予定 令和9年4月〜(2年間) 飲食料品の消費税率を1%に。6月以降は所得連動の給付を先行導入 令和11年4月〜 本格導入。あわせて飲食料品の消費税率は8%に戻す

出所:首相官邸「『飲食料品に係る消費税率の引下げ』及び『給付付き税額控除』についての会見」および同「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針の閣議決定についての会見」をもとにLIMO編集部作成

中本 智恵
窓口でも「いくらもらえるのか」と聞かれる場面が想像できますが、金額はまだ決まっていません。決まった時点で動けるよう、いまは制度の形と時期だけ押さえておくところです。1%になるのも令和9年4月からで、いますぐ買い物の負担が変わるわけではありません。