4. 配当と株主優待:200株・半年保有で6,000円相当、次に権利を得られるのはいつ?

なお、配当については中間・期末とも1株15円、通期の配当予想は1株30円(8月28日終値ベースの会社予想利回り0.97%)です。

これとは別に、ダイドーグループHDは株主還元の一環として株主優待制度を設けています。毎年1月20日時点で200株以上の株式を、その半年前(前年7月20日)から同一株主番号で継続保有している株主を対象に、6,000円相当の株主優待品を年1回(6月下旬)贈呈する内容です。

このほか、5年を超えて継続保有した株主には保有5年超となった年に1回限りの記念品が、保有期間を問わずすべての株主にはグループ企業商品の優待価格販売が、それぞれ用意されています。

注意したいのは権利取得のタイミングです。次回、2027年1月20日を基準日とする優待を受け取るには、すでに2026年7月20日時点で200株以上を保有している必要があり、今から新規に購入しても間に合いません。

今から購入する場合、次に権利を得られるのは、2027年7月20日から2028年1月20日まで継続保有した株主が対象となる、2028年1月20日基準日の優待からになります。

基準日だけを見て購入を検討すると見落としやすい、意外な落とし穴といえます。制度の内容は変更・廃止される可能性があるため、購入を検討する際は必ず公式サイトで最新の条件を確認してください。

5. 8月28日終値時点のバリュエーション評価:PERはむしろ低下

決算発表前日(8月27日)終値3,010円時点のPER(会社予想)は19.08倍、PBR(実績)は1.46倍でした。決算を受けて株価が上昇した8月28日終値3,090円時点では、PER(会社予想)は16.33倍、PBR(実績)は1.42倍とむしろ低下しています。

これは、株価の上昇幅(+2.66%)よりも、通期純利益予想の上方修正幅(+20.0%、1株当たり予想利益は157.73円から189.25円に上昇)の方が大きかったためです。

PBRについても、中間期に28億円の純利益を計上したことなどで純資産が前期末比48億7,400万円増加しており、1株当たり純資産の底上げが影響しています。

ただし、これだけをもって単純に「割安」と判断するのは早計です。海外飲料事業の比率が高まるほど、トルコリラの為替変動や現地のインフレ動向によって業績が振れやすくなります。今後はそれに伴う株価の動きにも注視しておきたいところです。

ダイドーグループHDの年間チャート1/1

ダイドーグループHDの年間チャート

出所:各データより筆者作成

6. 記者コメント

決算発表を受けて株価は一時大きく買われたものの、高値からは大きく値を消しており、市場の評価は一様ではなかったといえそうです。

祖業である自販機を主力とする国内飲料事業が稼働台数の減少という逆風にさらされる一方、トルコを中心とする海外飲料事業は高インフレ環境下でも価格改定と拡販で増益を確保し、今期の通期でも国内を上回る利益貢献が見込まれています。

配当や株主優待による還元と、海外事業特有のリスクの両方を見ながら、今後のセグメント別利益の推移を追っていきたいところです。

【免責事項】

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。

参考資料

高原 祥子