ダイドーグループホールディングス<2590>は27日、取引終了と同時(15時30分)に2027年1月期中間決算を発表しました。
これを受けて翌28日の株価は、前日比+80円(+2.66%)高の3,090円で取引を終えました。一時は+17.9%高の3,550円まで買われ、年初来高値を更新しましたが、その後は高値から500円近く値を消し、日足チャートには長い上ヒゲが残る格好となりました。
営業利益が前年同期比388.2%増になったことなどが買い材料になったとみられますが、決算内容への評価は一様ではなかったことをうかがわせる値動きでした。
- 海外飲料事業のセグメント利益が国内飲料事業の2倍超、稼ぎ頭が海外に
- 中間営業利益388.2%増、通期業績予想も上方修正
- 200株以上・半年保有で6,000円相当の株主優待、次回の権利取得タイミングに注意
1. 最新決算からひも解く企業の強み
2027年1月期第2四半期の連結決算は、売上高が前年同期比2.0%増の1,200億5,700万円、営業利益が同388.2%増の67億4,400万円、経常利益が43億3,100万円(前年同期は6,900万円の経常利益)、中間純利益が28億円(前年同期は13億6,100万円の中間純損失)となりました。売上高の伸びは小幅にとどまった一方、利益面は大幅な改善となっています。
セグメント別の内訳を見ると、海外飲料が稼ぎ頭となっていることがわかります。
祖業である自動販売機中心の国内飲料事業は、売上高が676億1,800万円(前年同期比5.5%減)とわずかに減収でしたが、セグメント利益は21億1,400万円となり、前年同期の20億3,100万円のセグメント損失から黒字転換しました。
一方、トルコ事業を中核とする海外飲料事業は、売上高が360億2,900万円(前年同期比25.3%増)、セグメント利益が52億2,800万円(同68.1%増)となり、国内飲料事業の2倍を優に超える利益をたたき出しました。
2. なぜ海外飲料事業が稼ぎ頭になったのか
海外飲料事業の増益は、トルコ飲料事業が牽引しています。原材料価格や物流費、人件費の上昇という逆風を受けながらも、炭酸飲料を重点カテゴリーに据えた拡販、戦略的な価格改定、商品ミックスの改善、生産効率の向上などが寄与し、増収と増益を確保したとしています。
一方、国内飲料事業が黒字転換した主因は、前期に計上した減損損失に伴う減価償却費の減少と、自社独自の効率化策「スマート・オペレーション」による自販機運営体制の最適化、販売手数料の抑制などのコスト改善効果です。ただし自販機の稼働台数自体は減少しており、売上高そのものは前年同期比5.5%減となっている点には注意が必要です。
3. 通期予想でも「海外が国内を上回る」構図が続く見通し
ダイドーグループHDは3月4日に公表していた2027年1月期通期の連結業績予想を、今回の中間決算にあわせて修正しました。売上高は2,463億円(前回予想比▲5億円、▲0.2%)とわずかに下方修正した一方、営業利益は123億円(同+18億円、+17.1%)、経常利益は94億円(同+10億円、+11.9%)、純利益は60億円(同+10億円、+20.0%)とそれぞれ上方修正しています。なお前期(2026年1月期)は、減損損失の計上を主因に303億2,200万円の純損失を計上しており、今期はそこからの黒字回復を見込む計画です。
セグメント別に見ても、この「稼ぎ頭の交代」は中間期だけの一時的な現象ではなく、今期(2027年1月期)の通期を通じて続く見通しです。国内飲料事業のセグメント利益は62億5,000万円(前回予想比+10億5,000万円)にとどまるのに対し、海外飲料事業は92億円(同+14億円)と、通期見通しでも国内を上回る計画です。
医薬品関連事業・食品事業・希少疾病用医薬品事業はいずれも売上規模が小さく、なかでも食品事業はわずかな黒字予想から赤字予想に下方修正されていますが、全社の増益基調に与える影響は限定的です。
営業利益は前年同期比+53億6,300万円の増加でしたが、経常利益の改善額は+42億6,200万円にとどまりました。この差が生じた主因は、トルコの超インフレ会計(IAS第29号)に伴う「正味貨幣持高に関する損失」が6億6,800万円から24億6,600万円に膨らむなど、営業外費用が増加したことです。
トルコの3年累積インフレ率が100%を超えたことによる会計上の調整で、同社も「依然として高インフレおよびリラ安が続いている」と説明しており、海外飲料事業の利益成長は現地の通貨・物価情勢に左右されやすい構造にある点には注意が必要です。