女性管理職の割合は、たびたび話題になる数字です。ただ、どの役職を指しているのか、どの範囲の企業を集計したものなのかによって、示す値は変わってきます。

厚生労働省は毎年「雇用均等基本調査」を実施しており、令和7年度の結果が2026年7月に公表されました。役職ごとの女性割合が集計されています。

課長相当職に占める女性の割合は13.2%、部長相当職は9.2%でした。一方、新たにその役職に昇進した人に占める女性の割合は、いずれの役職でも現職を上回っています。

この記事の3つのポイント
  • 課長相当職に占める女性は13.2%、部長相当職は9.2%、係長相当職は20.9%でした。
  • 新たに課長相当職に昇進した人に占める女性は17.7%で、現職の13.2%を4.5ポイント上回ります。
  • 企業規模別では10〜29人規模が最も高く、課長相当職以上で22.2%となっています。

1. 「女性管理職の割合」は役職ごとに集計されています

雇用均等基本調査は、常用労働者10人以上を雇用する民営企業から抽出して行われます。令和7年度は6,000企業を対象に、3,077企業から有効回答を得ました。有効回答率は51.3%です。令和7年10月1日現在の状況を尋ねています。

この調査でいう「管理職等」は、部長、課長、係長など配下の係員等を指揮・監督する役職のほか、専任職やスタッフ管理職と呼ばれている役職も含みます。

集計は「役員」「部長相当職」「課長相当職」「係長相当職」に分かれています。「課長相当職以上」という区分もあり、こちらには役員が含まれます。同じ「女性管理職の割合」でも、どの区分を指すかで数字は変わります。

2. 課長相当職13.2%、部長相当職9.2%。昇進者では17.7%

【図表1】いま役職にある人と、新たに昇進した人に占める女性の割合1/2

【図表1】いま役職にある人と、新たに昇進した人に占める女性の割合

各種資料をもとにLIMO編集部作成

令和7年度の女性割合は、役員21.0%、係長相当職20.9%、課長相当職13.2%、部長相当職9.2%でした。前年からは、課長相当職が0.9ポイント、部長相当職が0.5ポイント上昇しています。

課長相当職以上(役員を含む)でみると13.8%、係長相当職以上では16.2%です。

これに対し、令和6年10月1日から令和7年9月30日の間に新たにその役職に就いた人に占める女性の割合は、部長相当職11.5%、課長相当職17.7%、係長相当職27.4%でした。3つの役職いずれでも、現職の割合を上回っています。課長相当職では4.5ポイントの差です。

3. 16年で課長相当職は倍増、役員はほぼ横ばい

平成21年度と令和7年度を比べると、課長相当職は6.1%から13.2%へ、部長相当職は4.5%から9.2%へと、いずれも2倍を超えました。係長相当職も12.2%から20.9%に上がっています。

課長相当職以上(役員を含む)でみても、10.2%から13.8%に上がりました。

一方、役員は20.6%から21.0%で、16年間で0.4ポイントの動きにとどまりました。

役職の階段を1段ずつ上がる部分では女性が増えている一方、役員の水準はもともと高く、そこから先はほとんど変わっていないという形になります。

平成21年度と令和7年度を並べたとき、いちばん引っかかったのは役員の数字でした。

課長相当職は6.1%から13.2%へ、部長相当職は4.5%から9.2%へと、どちらも2倍を超えています。ところが役員は20.6%から21.0%で、16年かけて0.4ポイントしか動いていません。

もともと役員の割合が高いのだから伸びしろが小さい、という説明はできそうです。ただ、そう考えると今度は、なぜ役員だけが最初から20%台なのかが分からなくなります。

もうひとつ気になったのは、この調査が企業に尋ねているという点です。役員が何人いて、そのうち何人が女性か、という数え方になります。役員の人数そのものが少ない会社では、1人の増減で割合が大きく動くことになります。

この21.0%が何を映した数字なのかは、次に見ていく企業規模別の内訳をたどると、少し見え方が変わってきます。

中沢 新

4. 10〜29人規模の企業が最も高くなっています

【図表2】企業規模別にみた女性管理職等の割合2/2

【図表2】企業規模別にみた女性管理職等の割合

各種資料をもとにLIMO編集部作成

企業規模別にみると、課長相当職以上の女性割合は10〜29人が22.2%で最も高く、30〜99人が15.1%と続きます。5,000人以上は9.3%でした。

役員はその差がさらに大きく、10〜29人が26.9%である一方、300〜999人は5.7%、5,000人以上は6.6%にとどまります。規模計の21.0%という数字は、小規模企業の水準に支えられていることになります。

ただし、規模が小さいほど高いという一直線の並びではありません。300〜999人の9.8%は1,000〜4,999人の10.4%を下回っており、途中に上下があります。

5. 課長相当職に女性がいる企業は23.0%

割合とは別に、女性管理職が「いるかどうか」も集計されています。課長相当職以上(役員を含む)の女性管理職を有する企業は54.1%で、前年の54.9%から0.8ポイント下がりました。

裏を返すと、45.9%の企業には課長相当職以上の女性管理職がいないことになります。

さらに役職別にみると、女性の課長相当職がいる企業は23.0%、女性の部長相当職がいる企業は14.7%でした。役員を含む54.1%と比べると、かなり低い水準です。女性管理職の有無は、役員をどう数えるかで見え方が大きく変わります。

6. 政府は2030年までに課長相当職24%を目標にしています

政府は第6次男女共同参画基本計画(2026年3月13日閣議決定)で、民間企業の雇用者の各役職段階に占める女性の割合について成果目標を定めています。2030年までに、係長相当職33%、課長相当職24%、部長相当職15%です。

ただし、この計画が現状値として挙げている課長相当職の割合は15.9%(2024年)で、本記事で見てきた雇用均等基本調査の13.2%とは異なる数字です。同じ「女性管理職の割合」でも、集計の対象となる企業の範囲が違えば値は変わります。並べて引き算をしないよう注意が必要です。

なお、東証プライム市場上場企業の役員に占める女性の割合については、2030年までに30%という目標が別に置かれています。

7. まとめにかえて

女性管理職の割合を、役職別・企業規模別に見てきました。

  • 令和7年度の女性割合は役員21.0%、係長相当職20.9%、課長相当職13.2%、部長相当職9.2%でした
  • 新たに昇進した人に占める女性は課長相当職17.7%で、現職の13.2%を上回ります
  • 企業規模別では10〜29人が最も高く、課長相当職以上で22.2%、役員で26.9%です
  • 課長相当職以上の女性管理職を有する企業は54.1%、女性の課長相当職がいる企業は23.0%でした

役職の割合はいま在職している人の積み上げなので、動くまでに時間がかかります。昇進者の割合が現職を上回っている状態が続けば、全体の割合も上がっていく方向にはあります。

ここで挙げたのは全国の集計値であり、有効回答率は51.3%です。業種や規模によって実態は変わります。自社の状況は、勤務先の人事部門や公表資料で確認してください。

8. 【執筆者コメント】いま何%かと、これから何%になるか

同じ調査のなかに、いま課長相当職にある人の13.2%と、新たに課長相当職に昇進した人の17.7%が並んでいるのが目を引きました。

役職者の割合は、長く在職している人まで含めた積み上げです。一方で昇進者の割合は、直近1年に起きたことだけを映します。前者が後者に追いつくには、それなりの時間がかかります。1年で入れ替わる人数は、役職者全体からすればわずかだからです。

管理職として働いている立場からすると、この差はそれほど不思議ではありません。役職者の顔ぶれが入れ替わるには年単位の時間がかかりますし、1年の昇進で全体の構成が動くわけでもありません。

もっとも、そういう自分も、身近な職場の構成比をきちんと数えたことはありませんでした。全国の平均を眺めるより、まずそちらを数えてみるほうが早かったのかもしれません。

参考資料

中沢 新