夏休みが終わり、旗当番やPTAの役員会などが再開して憂鬱だという保護者の方も少なくないようです。そこで今回は、「PTA活動」や「旗当番制度」の矛盾をはらんだ現状について詳しく掘り下げるほか、最後の項目では回避方法についても紹介します。
「PTA役員・子ども会役員」「旗持ち」とは?
小学生のお子さんがいる方は内容や仕組みをご存知だと思いますが、各学校によって違いがあるため、ここでは筆者の子供が通う小学校のほか、全国各地にいる友人・知人の話をもとに簡単に説明します。
旗持ち
「旗持ち当番」「立哨当番」などと呼ばれる「旗持ち」は、住まいを考慮して組み立てられた順番に、各保護者が1~2カ月に1回ぐらいのペースで決められた場所に立哨する仕組み。また、立哨の代わりに、子供たちの集団登校を当番制で見守る学校もある。
PTA役員
クラス全員の保護者が、6つほどの部から希望する部を選択し、それぞれの部から代表が選出され、さらにその代表の中から部長や副部長が選ばれる仕組み。部によって内容が異なり、他校との球技大会(参加者は保護者のみ)の開催や夏休みに上映する映画のチケットを参観日に販売したり、ヨガや料理教室を開催して参加を募ったりする。
子ども会役員
旗当番の表を子ども会の保護者に、クリスマスのお菓子や年度が変わる前には図書券を子ども会の子供たちに配布する。
廃品回収をして子ども会費につなげるなどの活動を行ったり、夏休みのラジオ体操の監督を交代で行ったりする場合もある。
誰かが免除されるのを許せなくなるメカニズム
そもそも、PTA役員や旗持ち当番は「ボランティア」なので、強制されるものではありません。にもかかわらず、学校から配布されるPTA役員の用紙には「必ずどこかの役員に所属する」ように記され、PTAが運営する毎朝の旗当番や子ども会の役員選出についても「断る」という選択肢がないケースが多いようです。
そのため、たとえ仕事や家庭の都合、親の介護、子供の不登校といった事情であっても、誰かが役員や旗当番を免除されると周囲の人たちは納得がいかないという状況に陥ってしまうようです。
これは、誰かが免除されると残っている人たちの負担が増え、「しんどくても私はやっているのに」「ずるい」という気持ちが芽生えてしまうことが原因と言えるでしょう。こういった状況や感情が、PTA役員や旗持ちについて「誰かが免除されるのを許せなくなるメカニズム」を作り出していると言えます。
「ボランティアなのに強制」という矛盾
子供が小学校に入学してまもなく、「子ども会は任意団体なので入るか入らないかは自由ですが、役員に当たった場合はやってもらわないといけなくなるんです。それから旗当番は、子ども会とは違うPTA団体が管理しているので、こちらもやってもらうことになります」というような説明を受けた人も多いのではないでしょうか?
「子ども会は任意で入会するかどうかを決めることができるのに、その子ども会の役員については強制で持ち回り」ということは、事実上、子ども会への加入は任意ではなく強制されていることになります。
子ども会への加入が任意なのであれば、子ども会に入会しなかった人が役員をするのはおかしな話です。また、PTA団体への加入についても任意であるならば、PTAが運営する旗当番については辞退することができるはずです。
さらには、個人情報の開示に同意をしていない住所や氏名が、学校から勝手に子ども会に伝えられていることも不思議な現象と言えます。